電車に乗るときは現金を持とう

手書き特急券を手に入れそこなった代わりにもっと難易度が高い(と思われる)硬券着駅清算券をゲットした私は浮かれながらも電車の客となった。出発してから、お金を下ろすのを忘れて財布に現金がないことに気付いた。
でも、パスモもスイカもチャージしてあるしクレジットカードもあるから大丈夫だろう。その時はそう思っていた…
東武宇都宮線に乗るのは実に久しぶりで何十年前に乗ったか忘れたくらいだが、沿線風景は淡々と住宅地が続く感じで特に面白みは…。一番気になるのは西川田で、ここにはかつて宇都宮競馬場があったが廃止後どうなったんだろうかと。残念ながら電車から競馬場跡は見えなかった(少し離れてるのは知ってるから見えないだろうとは思っていた)し沿線も特に変わった感じは無かった。スマホのマップで見ると、競馬場跡は何にも使われてないようである…空き地か…むなしいのう…
電車は無事に栃木到着。いつの間にかJRともども高架化されていてこざっぱりした駅になっていた。ホームに特急券の券売機があったが新宿行きは窓口で買えとあった。で窓口に行くと人が並んで清算しているので、時間無しと判断して無札で新宿行き特急スペーシアきぬがわに乗車した。
ここからが大変だった。
出発後しばらくして車掌が来たので事情を話して清算しようとしたら、車掌はおもむろに車補の束を取り出して何か書き込み始めた。…やった!!車補の特急券ゲットじゃあああああ!!!!
しかし次の瞬間、暗転する。なんと、現金精算しかできないと。クレジットカードもスイカパスモも使用不可。東武とJRを連絡するという複雑な機構ゆえ、システム上なんらかの制約があるようである。Oh!My GOD!!なんてこったいorz
なぜ乗車前にに現金を下ろしておかなかったのか。無駄にデパ地下行ってる場合じゃなかったろ?なんて馬鹿なんだ…。
車補の特急券をゲットしそこない、困り果てる私。こんなやつはいないようで、車掌もマジで困ってる。もしかしたらJRの車掌なら精算できるかもしれないから、乗務員交代の時に連絡しとくからJRの車掌から買ってくれということになって、車掌の指示に従い最後尾車の最後部の座席に移動。
そして東武とJRの接点である栗橋に到着。東武線から渡り線に入って、JR栗橋駅の一番端っこのホームのない線路に停車。なんとここで運転士と車掌が交代するのか。なるほどねー。ホームがないので当然ながら乗客は乗降できない。
そこからJR東北本線の上下線を渡ってJR線に乗り入れ。さっそく車掌が来たので再び事情を話すが、なんとJRの車掌もクレジットカード精算できない。そしてスイカだが…もっと驚くことに、車内清算に使うスイカ入場記録が無いとエラーが出て使用できない。つまり「スイカで入場」した場合しかスイカ清算できず、単なる決済手段としてのスイカ使用は不可なのだ。もう、完全に行き詰った。困り果てる私。そして困り果てるJRの車掌orz
こうして完全無札のロックンローラー(古い)となった私は終点新宿まで金を払わず乗りとおした。駅到着後、車掌からある紙を手渡された。それは、東武の車掌が書いた紙で栗橋での引継ぎの時にJRの車掌に渡されたものだ。そこには特急券を発行しようとした記録が書かれていた。素人なので何券とか明確に説明しにくいが、とにかく列車番号と乗車駅と目的駅が書かれたものである。これをもって駅窓口で清算してくれと。
で、新宿駅新南口の清算窓口で事情を話すと正しい運賃料金で精算してくれることになったが、これをシステムに入力するのに一苦労。えらい時間がかかってしまい、私は恐縮する以外にすることがなかった。しかもスイカの残高が足りずパスモと併用して払ったのでその分の手間もかかった。でも実は私のスイカはクレジットチャージができるので、システムを操作してスイカだけで払うことも可能だったはずだが、私がテンパって「クレジットチャージできない」と言ったのでそうなった。
なんだか滅多にいないレア客となったために関係各所に迷惑かけまくってしまい、手書き特急券も車補の特急券も手に入れ損なうというアホを晒してさんざんな一日だったが、硬券の着駅清算券というレアアイテムはゲットした。でも、列車に乗るときは絶対に現金をもって乗ろう。クレジットカードやICカードに頼っては駄目ですよ。