システム上の盲点

沿線火災、小田急車両に延焼 現場脇に非常停止」…先週の事件だが、小田急線の沿線で火災が発生、通りがかった列車がよりによって現場脇に停車してしまい、列車の屋根に延焼するという事態になった。聞くところでは家事の現場に駆け付けた警官が列車を止めようと踏切の非常停止ボタンを押したところ、通りかかった列車に非常制動がかかってしまい運悪く現場脇に止まってしまったという。こういう経緯なので運転士の独自判断で列車を再起動することもかなわず長時間居座ってしまい、車両に火がついてしまった模様である。
ボタンを押した人も悪気があってやったわけじゃないと思うが、それが思いっきり裏目に出た。本来は警官が小田急の管制センターに連絡して列車停止の手配を依頼するべきところだったが、目の前の便利なボタンをつい利用してしまったというところか。
通常、事故の場合はその場に停車が基本だが、火災の場合は安全な場所まで走り抜けること、というのは北陸トンネル事故の貴重な教訓である。もっともそれは列車火災の教訓ではあるが、この場合にも言えたであろう。沿線火災で非常停止ボタンを押されて列車が最悪な位置に止まってしまうというのはシステム上の盲点であったと思う。これも教訓としてシステムの改良につなげないとなあ。