吉都線の将来

吉松と言えば鉄道の町。2面4線の大きな駅の大きな駅なのは変わりないが、以前にもまして駅に誰もいない。ここにホーム売りの弁当屋がいたなんて夢のまた夢である。しかし駅舎には駅員がいて、マルスもまだ健在!ここでやっと乗車券を売ってもらう。嘉例川から都城経由で鹿児島中央まで、という閑人専用乗車券(^_^;) 100㎞を超えるので途中下車可能である。
吉松駅前には蒸気機関車C55が鎮座している。以前は駅から離れてあってものを駅前に移設したもので、C55はC57と似た形をしているが動輪がスポークなのがとてもカッコイイ。素晴らしい。そしてここに飾られているC55は状態も比較的良さそうで、これは金かければ動かせるのではないかと妄想した。ハチロクもいいけど、こいつか矢岳D51の方がもっと見栄えすると思う。
ここで吉都線都城行きに乗るが、キハ40の単行である。吉都線はたぶん中学生の時に乗って以来だと思うので30数年ぶりである。そして当時の記憶は既にほとんどない(^_^;) まるで未乗線に乗るような新鮮さである。ここも相当乗客が減ってアブないと聞いていたのでぜひ乗っておきたかった。そして吉松発車時に私しか乗客がいない。貸切状態はいつまで継続なのか。
進行左側に陣取ったので霧島連峰とは反対側になる。山バッカ見てても仕方ないし(^_^;) そして待望の?乗客は次の京町温泉駅で乗ってきた。温泉とつくが駅前の閑散っぷりはかなりのもの。次のえびの駅がまた悲惨。駅は大きいが寂れっぷりが半端ない。かつて加久藤と名乗っていたころは急行も停まっていた駅なのに。特急も一時期来てたのに。えびのになっても急行はいたと思うが、それも昔話。すっかり寂れ果ててしまっている。
えびの飯野駅の駅付近が一番栄えているように見受けたが、それでも静かなもの。吉都線が危機に瀕しているのは、単に吉都線だけの問題ではなく地域全体が地盤沈下しているからのように感じた。これでは吉都線だけ頑張ってもどうしようもない。
下校時間になったか、乗客は徐々に増えてきたがボックス席に一人、程度の空きっぷりで繁盛してるとは言えない。先行きが心配になったが、小林駅の周囲はさすがに街っぽい。そして小林駅は駅舎建て替え中で立派なコンクリ建造物が建っている。おそらく公共施設建設のついでに駅入り口を設けた、みたいな感じだが公共施設も建たない駅よりは百倍ましである。
そして吉都線の景色であるが、もっと雄大なものを期待していたが意外と掘割が多いというか、山がちではないが景色を見通せないところが多くてそんなに魅力ない(^_^;) これでまた当分吉都線に乗る機会はないと思うが、いつまでも線路が続きますように。