ハワイのバスの雄!52系統に乗る

ハワイでは12月16日である。たっぷり睡眠して時差ぼけを吸収した後は、いよいよ本格的に活動開始である。今日は前回も行ったドールプランテーションに行ってみる。なぜかというと、ハワイで乗れる鉄道はここの観光鉄道しかないからである。日曜限定で動いている保存鉄道もあるそうだが、日曜は私の帰る日なので乗れない。前回もそうだったし、今回もそうである。なのでこの観光鉄道に乗るのである。
前回はオプショナルツアーに申し込んで、車をチャーターして行ったので何も苦労しなかった。今回は一歩進んで自力でバスで行ってみる。そこに向かうバスは、オアフ島全体を網羅しているザ・バスの52系統、アラモワナショッピングセンター発ハレイワ行きである。全体で2時間くらいかかる長距離バス路線で、ドールプランテーションはその途中だが1時間半くらいかかる。
というわけでまずはアラモワナショッピングセンターに向かう。相変わらず巨大すぎるショッピングセンターはバスターミナルでもあり、数多くのバス停から数多くのバスが発着している。しかし事前に調べたところ、市内線の8系統でアラモワナに行くと52系統の始発バス停と同じ停留所に停まるという。それだ!
52系統の始発バス停はショッピングセンター裏手の殺風景なところにある。調べると混んで座れないこともあるとあったが、平日朝9時の始発ではさすがにガラガラである。バスはどこまで乗っても2ドル50セントであり、しかも2回まで乗り換えできる。なんて安いんだ。
そしてハワイのバスの一大特徴…とにかく冷房が効きまくってて寒い。前回来た時もバスの車内で凍えたが、今日もまた猛烈な寒さに嫁が耐えかねる。夏がくっそ暑いハワイのバスの冷房能力が高いのは必須だとは思うが、冬も同じ調子では寒いだろ。
ガラガラで出発したバスもダウンタウンを通り抜けるときに徐々に客を集め、市街地を抜けるといきなり…高速道路に上がった。へ?路線バスが高速へ?まあ、日本にもそういう路線バスがないことはない。ハワイの高速道路は無料なのでゲートも通らずにいきなり高速に上がることができる。
その時、何かの都合で少しだけ高速道路に上がって、すぐに降りてまた丹念に停車するのだろう、と思っていた。が…バスは一向に降りる気配がない。ひたすら高速道路を走り続け、景色からやがて人の気配が無くなり、無人の荒野を行くことしばし、とうとうワヒアワまで来てしまった。ただの路線バスかと思ったら、都市間高速バスの一面もあったのか。
そして高速を降りたらいきなり住宅街を丹念に停車。なんとも萌える(^_^;)
ワヒアワのバスセンターに到着したところ、壁に鉄道の絵がかいてあるのを発見。片側には貨物列車と農夫が、もう片側には駅で列車を待つ乗客の姿が描かれていた。これは…山間部のワヒアワにこういう鉄道が昔存在したということか?ここからサトウキビか何かを積んで、海辺のパールハーバーあたりまで列車が行ってたということか?ということは…すっごく長い線路跡があるはずだな!もしかしてこのバスセンターは駅の跡地か?
などといろいろ妄想してしまった。
ワヒアワの市街を出るといよいよ目的地なのだが、その手前にある何もない三叉路が、前回訪れたハワイ王朝の聖地の入り口である。看板も無く知る人ぞ知る場所で、今日も誰かが車で訪れている。
そこにバス停も設けられていて誰かがピンポンと降車宣言をしたはずなのだが(ちなみに降車するには車両の壁に通してあるヒモを引く。今日乗ったのは新車だったが押しボタンもあった。)、バスは勢いよく通過!おーい、止まらなくていいのかー?
バスは次のバス停も通過し、降りようとした人は諦めた感じだった。 おいおい、さっきから衝撃の連続やな。
そしてついにドールプランテーション前に到着。観光地だが降りたのは我らだけだった。さすがにバスで行こうと画策する人は少なかったか。
ドールプランテーションは冬の平日ということで客は少ないかと予想していたが全くそんなことはなく盛況だった。観光鉄道も客がいっぱいで、定員乗車なので1本待たされた。
発車してすぐ変な臭いがしてくると思ったら、線路わきに植えてあるスターフルーツの実が収穫されておらず落果したまま放置され、それが腐った臭いだった。おいおいどうなっているんだ?そこら辺は日本の観光施設と違っていい加減だ。
そして観光鉄道に驚きの変化があった。以前乗った時は、両端部がループ状になった単線鉄道だったのだが、なんと単線部分が複線化している!複線化したことで線路は全体が一つのループ状になり、分岐器が廃止された。新設した線路はバラストがきれいできちんと盛られているが、旧線はバラストが減ってて廃線間近のローカル線みたい。
ちなみに今日確認したところでは、機関車は形は蒸気機関車の体裁だが、炭水車にエンジンを乗せたディーゼル機関車であった。
こうしてハワイで数少ない鉄道乗車は完了した。個人的には、もう乗らなくてもいいかな(^_^;)