嘉例川で華麗に乗り換え

バスの乗客は2人しかいなかった。いちおう空港から霧島温泉郷への連絡バスなのだが観光客ゼロだよ。しかもうち一人は次の嘉例川で降りるしな。空港から嘉例川までは山道の県道を走るが、道路工事のため対面通行になっているところがあり、そこで結構待たされた。おいおい、これは、もしかして特急「はやとの風」に乗るため無理してタクシーに乗ったらここではまって特急間に合わなくて完全終了だったんじゃねーの?
ホッと胸をなでおろしながら嘉例川バス停で下車。ここから駅までは約300mとな。山道を下るとなぜか広い駐車場が見えてきた。なんだこれは?…どうやら、嘉例川駅の駐車場のようだ。と書くと誤解が生じるので詳しく書くが、列車利用者のための駐車場ではなく、「観光地としての」嘉例川駅見物客のための駐車場である。嘉例川駅舎は築100年超のボロ駅舎だが近年、登録有形文化財に指定され駅自体が観光地化しているわけだ。今後もボロイまま維持されて遠方からお客様がいっぱい押し寄せる…のか?
その駐車場からは遊歩道が駅に通じているが…駐車場と駅にはかなりの高低差。見下ろす形になるので景色は良いが、階段を下りながら「逆ルートは通りたくないな」と思った(^_^;)
そしてついに駅到着。…ん?駅前にもバス停があるぞ。さっきの駐車場にもあったが、あれは定期観光バスのバス停だった。ではこれは?…妙見温泉経由隼人行きのバスのバス停だった。私が乗った霧島方面行きは通らないが、その後に出る隼人行きは駅前まで寄ってくれるのかorz
打ちひしがれていると駅に猫がいるのを確認。近寄っても逃げない。えらく毛並みのいい、穏やかな猫である。この猫は駅猫のにゃん太郎君というそうで、待合室に自宅を持っている。日がな一日駅に駐在して乗客を見守っているらしい。マジレスするとこの猫は地域猫というやつだ。付近の住民が世話している猫だ。
私が到着したときは女性が一人猫に構っていたが、トイレから出てくると女性はおらず猫しかいない。乗客も近くの住民もいない、全く人気を感じない不気味な雰囲気である。そんな駅で猫と列車を待つ私。
こういう時、静かな山あいの駅、と言いたいものだが、あいにくすぐ近くに鹿児島空港があるので飛行機が頻繁に飛んでいて、全然静かではなく、単なる山あいの駅である。というか、鹿児島空港って飛行機の発着多いな。えらいたくさん飛んでくる。
やがて近くの踏切が鳴動をはじめ、いよいよ列車がやってくる。スマホで動画を撮っていたら、何やら駅前の方にバスが到着する音が。うるさいよ!ちらっと見るとそれは妙見温泉経由隼人行きのバスだった。所定では16時11分着のはずなので数分前には来てるはずのバスが、列車が入線しようとする今来た!きっとさっきの工事現場ではまっていたのだろう。もし私がそのバスに乗っていたら車内で発狂していたであろうことは明白。危ない、危ない。
ちなみにそのバスの乗客はゼロだった。平日とはいえ、さっきのバスもこのバスも悲惨な状況やな。