線路を見ながら日高を行く

今日は札幌から旅行開始。まず、札幌のホテルにて朝食バイキングでたらふく食った。食い過ぎて、昼飯は食べることができなかった(^_^;)
ホテルの近所にあったレンタカー屋まで歩いていき、車を借りる。なんと私が乗っているのと同じデミオ、ただしガソリン車、基本は全く同一なのでなじみやすくて良い。さっそく、嫁の希望でまずは北海道神宮にお参りに行った。
北海道神宮は札幌市街地の西の方、円山公園に隣接してあった。なぜか知らんが外国人観光客の観光ルートになってるらしく、境内にいるのはほとんど中国人。しかしなんだかふと、今冬に大阪の串揚げ屋・八重勝に行った時のことを思い出した。
あの時も店内は中国人だらけだったが、連れて行った後輩が「全員台湾人だ」と言った。見る人が見れば中国大陸人と台湾人は見分けがつくのだ。そう思って見ていると、もしかしてこの連中は全員台湾人かもしれない。話し声がちょっとだけ小さく感じる。
決定的な?証拠は、拝殿脇に置かれたおみくじBOX。3つあるうちの2つは日本語だが、1つは「台湾的籤詩」と書いてあった。そうか、中国語ではおみくじは籤詩というのか。そして台湾の繁体字のみで大陸の簡体字が用意してないということは、やはりここにいる連中は台湾人ばっかりか。
二人ともおみくじで大吉を引いて気分よく神社を後にし、高速道路に上がろうとインターチェンジを目指すが、神社のあるのは札幌の西郊、高速道路は西から北⇒東⇒南と市街地を大きく迂回しており、とりあえず北上して桑園を過ぎ、札樽道新川インターチェンジから上がったが、これで良かったのかちょっと自信なし。当初予定はホテルから東進して大谷地インターあたりで上がろうと思っていたので。
ここ最近の北海道の天候は安定しないが、今日は雨が上がってありがたい。高速道路を苫小牧方面に走っていき、苫小牧東ジャンクションから分岐して日高自動車道というのに入った。ここは、高速道路と言いつつ無料通行区間となっていて、地図でも沼ノ端東インター以東は普通の国道で書いてある。しかし見た目はまさしく高速道路。ちょっと道が凸凹なのはやっぱり無料なので整備が行き届いてない?(^_^;)
こんな立派な道路を税金で作っておいて無料とかずるい!と思うが、沿線人口が少ないので有料にしたら誰も走らないであろうことは明白なので無料なのは仕方がない。そもそも、こんなところに高速道路が必要なのか?という議論をまずすべきであろう。
日高道鵡川まで開通かな?と思っていたが、その先の日高門別まで開通していた。そしてその先も工事中だった。一体どこまで税金ぶっこむつもりか。多分、えりも岬まで作りたいのであろう。金の無駄だな…ま、おかげで信号がなくてすんなり通れたけど、山間部に道を通しているので景色は面白くない。
日高門別から一般国道235号に出てさらに南下するが、他の車がみんな、それまで走っていた高速道路と同じスピードで走るんですけど(^_^;) わざわざ高速作らんでもええやん。信号引っかかるか否かの違いしかないやん。
この国道235号は、門別以南はえりも岬までずっと海岸沿いを通っているので、景色は抜群である。すなわち右側の車窓はすべて太平洋!海しかない!!道路と海の間にあるのは砂浜と線路だけだ。
この線路はJR日高本線であるが、2015年1月に太平洋からの高波被害を受けて苫小牧−鵡川間以外の区間は運休している。苫小牧−鵡川間も先月の台風で被害を受け運休したが、ちょうど昨日の16日から再開したそうな。それ以南が復旧しないのは被害が大きすぎて復旧費用が捻出できないからである。高波でそうなるの?と思っていたが、現地に来てみると確かに浜と同じ高さに線路があって、波が来たら流されるよなあと。
その被害の大きさは道路を走っててもはっきり見ることができる。道床が流されて線路が宙づりになってる箇所。橋桁が流されて橋脚だけになった橋。橋桁はさすがに川岸に集めて置いてあった。
ためしに大狩部と節婦(せっぷ)の2駅に寄ってみた。大狩部駅はまさに海岸にあって浜と国道に挟まれた狭い空間に存在した。国道は勾配で築堤になっていて、駅は国道下の狭いトンネルを歩いて抜けてやっと行けるところにあった。大狩部駅自体は波に流されたりしていないようだが、その前後の線路が流されたりがれきに埋もれたりしていて、全く廃線そのものの風景であった。遠くに見える岬みたいな箇所の線路が完全に流されていて、絶望的な気持ちになる。節婦駅は集落の中にあって無傷だし、廃線の雰囲気はまだ出していない。両駅とも代行バスのバス停が立っている。本数はそれなりにあるようだ。
海と崖と浜と線路しかないところばっかり通ってきたので、久しぶりに新冠の市街地に入ったらえらく都会に見える(^_^;) 道の駅に寄ったら、道の駅の運営者はホロシリ乗馬クラブと書いてあった。昔、鉄どもとホロシリ乗馬クラブに行って馬に乗ってトレッキングやったなあと若いころを思い出した。その道の駅にはJR北海道グッズを売っていて、なぜか新冠駅の駅名票マグネットを売っていたので買った。このままだと新冠駅も廃駅になってしまうので、記念入場券の代わりに買ってみた。
新冠を過ぎるとすぐに静内に着く。今は新ひだか町という町名になっているが、日高地方の中心地のひとつである。いろんな店が建ってる。コンビニも複数あるし病院もカーディーラーもある。もう、大都会にしか見えない(^_^;)
日高三石の道の駅で運転を嫁に交代し、さらに南下。浦河は静内と並ぶ中心地のひとつで、こちらには行政機関が多い。日高支庁改め日高振興局の所在地でもある。もちろん、大都会に見える(^_^;) 道沿いにあった浦河駅は結構うらぶられた感があったが、駅舎のドアが開いていたので完全に沈黙しているわけではないらしい。市街地にある浦河神社でちょうどお祭りをやっている最中だったが、時間がないのと駐車場がないので先を急ぐ。
様似は日高本線の終点なので、ここは寄り道させてもらう。駅前はきれいに整備されているが、ここにも列車は来ない。が、すぐ後から代行バスが来た。バスにも乗客が多く乗っているわけではないので、正直バスで十分間に合っている。住民の大半は車で生活しているし、沿線からは札幌行きの高速バスも出ている。
北海道の場合、厳冬期に道路が不通になった際の鉄道への信頼感が高く、道民的には線路は必要不可欠との認識があるらしいが、この日高本線については昨冬も線路なしで乗り切ってしまった。もはや線路の存在価値はないと思われ、このまま修理もされず廃線の可能性が高い。せめてお別れ乗車ができればよかったが、そうする前に高波の野郎がすべて台無しにしやがったのが悔しい。