楽しい楽しい文湖線

今日は台北旅行の最終日である。ここにきてようやく晴れとなった。午前中しか自由に行動できないので、朝食後さっさとチェックアウトして荷物をフロントに預け、そそくさとホテルを出る。
ホテルの北方すぐ近くに市役所(台北市政府)があった。その向こうにあるのがメトロ板南線・市政府駅。阪急デパートのビルと合体した駅であるが、阪急デパートは今月限りで阪急の看板を下ろすというニュースを見た(阪急と現地企業の契約切れ)。まだデパートは開いておらず、平日ということもあって人はあまりいなかった。
そんなのんびりした感じの地下鉄駅で電車に乗り、終点の南港展覧館駅にて下車。乗り換えのために階段を上がると…そこにはあの変な乗り物、文湖線ホームがある。今日は文湖線の乗り残し区間乗りつぶしておこうという算段である。
平日の郊外路線ということで車内はスカスカ。当然のようにかぶりつきを…と思ったらすでに一人いる!仕方ない、そこから少し後ろのクロスシート席に座るべし。前面かぶりつきだと前しか見えないが、少し後ろのクロスシートから前面を見ると180度の景色が見れて、こっちのほうがむしろ良い。電車が混んで周りが見えなくならない限り、ではあるが。
南港地区は開発中らしく近代的な建物と空き地がごっちゃになっている。ここから文湖線は台北の北東部をぐるりと迂回しながら中心部を目指す。各駅とも駅前は開発されてひとかどの駅になっているが、駅名に「湖」が付く駅がやたら多い。昔はひどい湿地帯だったのだろうか。進行方向左側にずっと小山が見えるが、日本の戦国時代だったら間違いなくここに城が築かれているに違いない。その周囲がすべて湖だったとしたら、これはもう難攻不落。
なんてことを考えていると、駅ごとにだんだん都会化が進んできて、駅前に観覧車が回っている大直という駅を過ぎると次は松山機場駅、日本風に言えば松山空港駅である。
…と、いきなり地下にもぐった。そしてすっごく長い駅間。松山機場駅の次駅も距離が長かった。ようやく外に出ると、はるか向こうにさっきの観覧車が見えた。それまでのんびり地上を走っていたのが急に地下に潜って延々地下を走り続けたのが違和感だった。
しかしあとで地図を見ると、文湖線が単に空港を縦断するので地下に潜っただけだった。しかも通りを真っすぐ南下すればいいところ、わざわざ空港ターミナル直下まで大迂回しているため、やたら駅間距離が長く感じたのであった。
楽しい新交通システム文湖線の旅も、前日乗車した大安駅までで終了。淡水信義線の淡水方面も地上区間を走るし、建設中の桃園国際空港に行く路線も地上を走ることになっている。やっぱり鉄道は地下鉄より地上を走っている線区を乗りつぶすほうが圧倒的に楽しい。地上区間はもっと積極的に乗りたいところだ。