日南線に乗るのは30年ぶり(たぶん)

仕事は無事に終わり、私は他のメンバーと別れて宮崎駅に戻った。宮崎駅の改札口にはICカード対応自動改札機が導入されていたが、やはりSUGOCA宮崎駅周辺だけ(佐土原−田野、田吉宮崎空港)でしか使えないようだ。それって宮崎の人にとって果たして便利なんだろうか?宮崎交通が同じタイミングでnimocaを導入するので、バスと鉄道の連携で便利になる人が多少はいるということか。
そういうわけで私がこれから向かうところは切符を買わないと行けない。ので、運賃表を見て愕然とした。そんなに高いの…!?目的地は志布志、運賃は怒涛の2160円である。高っ!!そして遠っ!!
いちおうスマホで「えきから時刻表」を見て時刻を調べて駅に来たが、ここで私は失敗を犯す。宮崎15時44分発日南線1945Dに乗ればいいところ、この列車が南宮崎始発と誤認して早く南宮崎に行かなきゃ!と、15時8分発予定(5分ほど遅れた)の南宮崎行きに乗ってしまった。これが713系の2両編成で、713系が長崎から宮崎に移って以降に初めて乗ったのだが、椅子が特急の回転リクライニングシートに変わっていて驚いた。なんと贅沢な!
713系に乗れて幸せだったのだが、南宮崎で私が乗るべき列車が宮崎始発と知って愕然。何やってんだ…宮崎から乗れば確実に椅子に座れてたじゃないか。これで座れなかったら泣くぞ…。しかも、寒風吹きすさぶ南宮崎駅ホームでじっと待たなければならない。
20分以上待ってやっときた(この列車も遅れた)日南線列車は2両編成、幸いにも海側ボックス席が空いていたので無事占拠。そしてこの後またしても…雨降ってきやがった。しかも道路が濡れるくらいしっかりと。でも快晴。どうかしてる。
そしてもう一つ懸念が。今乗った列車は途中の南郷が終点で、その手前の油津で志布志行きに乗り換えると志布志到着は18時37分。…冬の日の短い時期に、18時半というのは日没で景色が見えなくなる恐れあり。せっかく大金払って乗って日没終了ではやるせないが、チャンスを最大限に生かすほうに賭けた。
というのも、日南線の末端部の利用客数がかなり壊滅的なことになってるらしく、これではいつ廃止問題が持ち上がるかわからない。私もいつまで宮崎担当でいられるかわからないし(青森みたいに突然担当替えになる可能性もある)、乗れるうちに乗っておこうと思った。日南線自体、おそらく1986年以来30年ぶりの乗車になるはずだし。
観光列車も走る日南線の景色はたしかに素晴らしく、時折海岸の風景が現れては山に入るの繰り返し。たしか北郷だったか、すれ違った列車がその観光列車「海幸山幸」の車両だった。しかし「海幸山幸」は土休日のみ運転では?…団体表示が出ていたので、今日のは団体専用列車だった模様。車内は見事に爺婆で満席だった。
平日なので車内は通学の高校生が主力。といってもそんなに大量というわけでもない。油津に到着すると、ホームの向かいに停まっている志布志行きは1両編成だった。急いで乗車して座席を確保するが、乗客はボックス当たり1,2人。乗客の大半は南郷までで降りてしまうらしく、その先に行く人だけ乗り移ってきたのだ。別に慌てる必要もなかった。
そして恐れていた日没が…17時半くらい、榎原付近でやってきた。18時半とか最初からムリゲー。そして真っ暗な外を凝視してみると、ところどころで海辺や港の脇を通り抜けてる。くっそー、日が明るいうちに来たかった。しかしどうしようもない。
客は降りていく一方で、串間で大量下車がありほとんど空になった状態で終点へ。志布志は聞いていた通りのホーム一本だけの無人駅で、かつてこの駅から3つも線路が出ていたとは思えない落ちぶれっぷり。志布志駅の広大な敷地はショッピングセンターのために整理して、駅は敷地の一番端っこに移設されたのだが。
宮崎からここまで3時間。帰りも2時間半かかるが戻ると夜で飯が食えないかと思って、駅前ショッピングセンター内のスーパーで弁当を買うことにした。牛焼肉丼が400円と安く、しかも3割引のシールが貼ってあるのでお得だ!と思って手に取ったら隣にいた店員のおばちゃんが半額のシールを貼ってくれた。超ラッキー\(^o^)/ 浮いたお金でビール買った。
折り返しの南宮崎行きの乗客は私一人。弁当を食いビールを飲みながら、いつ貸切じゃなくなるかなと思っていたら、南郷まで貸切状態が続いた。やはり乗客の減少はかなりのものか。時々すれ違う下り列車に通勤通学帰りの乗客がそれなりに乗っていたのが救いだった。