ブルートレイン終焉

「北斗星」が完全引退=最後のブルトレ、1500人見送る―北海道」…臨時特急「北斗星」は昨日の21日が下り最終、今日の札幌発が上り最終で明日の朝に上野に着いた時点で日本から「ブルートレイン」消滅である。…とあるが、今回無くなるのは「定期の客車寝台特急列車」である。随分限定的だな(^_^;)
定期の寝台特急列車は電車だが「サンライズ瀬戸・出雲」が健在だし、客車寝台特急は臨時だが「カシオペア」があるし、寝台車連結列車となると急行「はまなす」がまだある。まあ旧来の、24系25形が長編成を組む寝台特急列車“ブルートレイン”が終焉を迎えてしまったというのは事実だ。
思い起こせば私が鉄道好きになった時、折からの「ブルートレインブーム」に乗って九州にやってくる寝台特急に一番最初に興味を持った。私の場合、特に「あさかぜ」が一番好きであった。私の住む博多が始終着である「あさかぜ1・4号」は極めて身近であり、竹下に行けばいつでも会うことができた。私にとって特別の列車であり、小学5年生の時に初めてブルトレに乗せてもらえることになった時も迷いなく「あさかぜ4・1号」に乗った(行きが4号で帰りが1号)。
以来、寝台特急にはたくさん乗った。思い出も数多い。大学受験の為に上京する時もわざわざブルトレに乗った。東京から帰省する時にも当然何度も乗ったし、北海道に行くときのデフォルトが「北斗星」だった。いつしか寝台列車の衰退を実感するようになってからは、乗るたびに「これが最後かも」と思いながら乗った。
大分に住んでいた頃は機会を見て「富士」「彗星」に乗った。廃止近い「はやぶさ」にお別れ乗車した時は、奮発してA寝台個室を取った。今まで何十年も見るだけで乗ったことのないオロネ25に乗れるラストチャンスだった。あれほど乗った東海道・山陽筋のブルトレが一本も無くなってしまった時、残念ではあったが諦めの境地にあった。いずれ日本からブルトレは無くなる。それが今日だった。
今年4月以降の臨時「北斗星」にはついに乗れなかった。いちおうトライしてみたが券は全く取れなかった。今は転売ヤーとかいて人気切符を取るのは一苦労だし、「北斗星」にはお別れ乗車を二度も行っているのでもうやり尽くした、と。その2回のお別れ乗車はいずれも開放B寝台だったが、「北斗星」は常に個室寝台に乗っていたのでこれが初体験(^_^;) でも、その時も書いたがブルトレの最後が開放B寝台で良かったと思う。上野から札幌まで延々とB寝台に乗ることで、子供の頃のブルートレインの思い出が一気に蘇った。あの頃の物凄く楽しい気持ちを思い出せたのは良かった。私の心の中では、これできれいに完結した。
…だが、私は寝台列車そのものを諦めたわけじゃない。ちょうど今日、寝台電車サンライズに乗っていた。そして来月、元祖寝台電車583系にも乗る予定だ。583系こそ半分動態保存しているようなものでいつ乗れなくなるかわからないから、今焦って乗る。「カシオペア」も「はまなす」も来年無くなるのが濃厚だが、「カシオペア」はもういいかな…「はまなす」にはリトライしたいところだが、もう既にキップが取りにくくなっているそうだ。でも24系25形の最後の定期列車となるので、もう一度くらいは乗りたいかな。