「真田信繁(幸村)」の件

家康に内野、信幸は大泉…「真田丸」出演者発表」…ここ数年のNHK大河ドラマはマニアックに走り過ぎてイマイチ受けが悪いようだ。去年の主人公・黒田官兵衛は戦国ヲタにはお馴染みのビッグネームだが世間の受けは今一つ。今年の主人公は久坂玄瑞の奥さんとかで、残された資料も少ないので創作が多くて興味が沸かない。前にやった新島襄の奥さんとかもマニアックすぎるやろ。
で、来年は戦国モノである。個人的には幕末より戦国時代の方が好き。主人公も真田幸村というビッグネームでベタに攻めてきたが、マイナーすぎる主人公を選ぶよりはその方がいいと思う。
注目したのは、主人公の表記が「真田信繁(幸村)」である点。最近の研究により「真田幸村は実際には幸村と名乗っていなかった」説が強まり、実際に名乗っていたと思われる真田信繁と表記されることが多くなったが、しかし世間で広く認知された名前は幸村であり、信繁では誰かわからないため「真田信繁(幸村)」「真田幸村(信繁)」と書かれることが多い。
そんな幸村のことを敢えて「信繁」と書くからには、最新の研究に基づいた全く新しい真田信繁(幸村)像を描いてくれるのではないかと期待してしまう。
真田昌幸の次男坊だった信繁(幸村)は子供の頃から人質として他国にいることが多く、上杉家から豊臣家と渡り歩いた。そして石田三成大谷吉継らのエリートと人脈を作って出世しようとした矢先に関ヶ原の戦い勃発。結果はご存じの通りで、エリート人生が一転して罪人扱い。父が1611年に没した後は家臣も去り配所で寂しい余生を送った。
このまま何も成し遂げないまま人生が終わるのか、と悲しんでいたら豊臣家からスカウトされて大坂城入城。しかし、軍事的には常に父と行動を共にしてきた信繁(幸村)には単独での武功が乏しくて城内での発言権が弱い。そこで登場するのが、大河ドラマのタイトル「真田丸」。大坂冬の陣での真田丸を巡る戦闘で注目の人とはなったが、依然として立場が弱く意見具申は通らない。
…こう書くと、信繁が豊臣家を見限っても非難はされないんじゃね?と思えてきたが、信繁は大坂方で頑張った。そして夏の陣で誰もが驚愕の大活躍の末、命と引き換えに永久不滅の名声を得た。
…という認識でいるのだが、そんな感じに描かれるだろうか。大坂の陣というと実は信繁以上に活躍したと言われる毛利勝永のことも忘れないでやってください、と言いたいところだがこれはマニアックすぎるか。