注意一秒怪我一生

線路に降り写真撮影、台湾人女性が逃げ遅れ死亡」…毎日のように鉄道の人身事故が発生しているわけだが、たいていは都会で起こる。しかし地方でも起こる。つい数日前に岩手のJR東日本矢幅駅で起こった人身事故は中学生がいじめに遭った挙句の自殺だった。とても可哀相である。
しかし今日起こった人身事故はさすがに?と思った。発生場所は土佐くろしお鉄道・若井駅鉄ヲタにはJR四国予土線の分岐駅として知られているが、実際に線路が分岐するのは少し離れた信号場であり、若井駅自体はホーム一本だけで駅舎も無い無人駅である。こんな客もいなさそうな山奥の駅で人身事故とはいったいなんぞ?
真実は大変残念なものだった。台湾からの観光客がホームから線路に降りて写真を撮っていたが特急列車の接近に通過直前になって気づき、慌ててホームに上がろうとしたが一人が間に合わず…というもの。
なぜ外国人旅行客が若井などという小駅に降りているのかがまず気になったが、それはいい。残念なのは、リンク先の写真を見ていただけるとわかるが、若井駅のホームの反対側は築堤になっている。だから、列車から逃げるならホームに上がろうとするんじゃなくて反対側を転げ落ちてほしかった。怪我はするかもしれんが、死ぬことは無いだろう。残念だ…
もちろん線路に降りたらいけないが、これほどのどかで列車も来なくて人もいないと気が緩んでそういうこともしてしまうだろう。不幸だったのは、土佐くろしお鉄道には特急が走っており、JR四国が誇る2000系振子式気動車がローカル線とは思えない恐ろしいスピードで駆け抜ける(多分)こと。若井のような小駅に停まるはずも無く、発車時刻表に記載も無いだろう。この人たちにとっては完全な不意打ちであり、まさに青天の霹靂。日本まで来て、まことにお気の毒。