常磐線と地震被害

JR常磐線もこの帰宅困難区域内を通っており、現在も一部区間が不通。国道6号が通れるようになったということは、原発からそれと同じくらいの距離を通っている常磐線も通れるようにすることはできそうな気もするが…やはり無人地帯に列車を走らせても採算面がね。原ノ町以北の地域からいわき・水戸・東京方面に行く列車が無いのはつらいが、そこは今月全通した常磐道でカバー。さっそく東京と相馬を結ぶ高速バスが設定されたらしいので、今後はバスが主流になるのだろう。
そんなわけで原ノ町以南の常磐線は哀れな廃線の様態である。原ノ町から一つ行った磐城太田駅に寄ってみた。無人駅なので駅舎はなく待合室があるだけだったが、列車が来なくなってまだ4年しか経ってないこともあり駅構内はそう荒れてはいない。普通の廃線と違い、この常磐線は架線が張ったままになっているので、今にも列車が来そうな雰囲気はもっている。
帰宅困難区域の駅には当然寄れるはずもなく、淡々と通り過ぎていく。走りながら「帰宅困難区域終了」の看板が現れるのをずっと待っていたのだが、そんな案内は無くいつの間にか沿道の封鎖が無くなり開いている店も見えてきた。結局どこまで帰宅困難区域だったかよくわからんかった。
そのままさらに淡々と南下、国道の海側に見えた常磐線の線路を見て「ほらあそこに線路が…」と言いながらよく見ると線路わきの信号に電気が来ている!あ、この線路生きてる(^_^;)
広野まで開通していた常磐線が最近さらに北に延長したことは把握していたのだが、その駅名を憶えてなかった。最近列車が来るようになったその駅の名前は竜田。いつの間にか竜田を通り過ぎていた。
海にも国道にも間近い久ノ浜(ひさのはま)駅に寄ってみた。一日約10本程度だが普通列車が通っているのは心強い。最新の時刻表が張りだしてあって、最近運行を始めた竜田−原ノ町間の代行バスの時刻もあったので確認。竜田発原ノ町行きは朝の9時半ごろ…これに乗ろうと思うと上野発の始発電車に乗らないと乗り継ぎできない。代行バスは2往復で、次のバスは夜になっていた。これは乗り潰すにはハードルが高いな。
すぐ近くの海にも行った。ここにも津波浸水区域の看板があり、湾の奥に当たる部分が更地になっていた。ここにも激しい被害があったのか。久ノ浜は小さい集落なので報道されることも(多分)なかったはずだが、ここにも厳しい現実があった。