室蘭本線でいろいろ

岩見沢駅の駅舎は新築のきれいな二階建てで、2階部分に駅の機能がある。そういえば数年前に放火か何かで全焼する事件があったが、そこから再建してこのような駅舎にに生まれ変わったということか。しかしながら駅の機能はミニマムで、あると思った蕎麦屋売店も無い。階下に降りてみたらパン屋を発見したが、他の店を探す時間が無いので昼飯はパンと決めた。
室蘭本線苫小牧行きはキハ40の1両編成。てっきり客が少ないと思っていたが予想外にたくさんいたので座席を確保しなきゃと焦る。乗りこんで進行方向左側のボックス席を占領しようと思ったが、なんと車内は左2人掛け、右4人掛けに改造されている!まさかここで中途半端な座席改造車に出くわすとは思いもしなかった。体が無意識に右に反応し、4人掛けボックス席を確保。
2人向かい合わせボックス席は元々4人が向かい合わせに座る形だったのを、椅子を半分に切って2人が向かい合わせになるようにしたもので、比較的乗客の多い路線で立席を増やす目的で設置される。たしか北海道では札沼線でそのような車両がいたと記憶しているので、このキハ40は札沼線電化によりこちらに流れてきたのかもしれぬ。しかしこの2人掛けは幅が狭くて窮屈なので座りたくない座席である。体が瞬時に反応したのはその記憶があるからである。
列車は定刻に出発。出発時から客は比較的多い。人口の少なそうな地帯を通る線路で一日8往復しか列車が無く、さぞかし客がいなくていずれ廃止の話も出てくるんじゃないかと思っていたが、そんな感じはしなかった。これは、急いで乗る必要はなかったかもしれぬ(^_^;) この近所だと留萌本線日高本線の方がはるかに廃止の可能性が高そうだが、留萌に行くには時間が無く、日高の方は鵡川以南が高波で不通になっていた。
外の景色は相変わらず白一色。次の志文駅からはかつて万字線が出ていたが、当然ながら廃線跡は雪に埋もれてわからず。進行方向左手の向こうの方、山のふもとあたりにやけに立派そうな遊園地が見えるのだが、あれって流行っているのかねえ?行ったこと無いからわからんが万字炭山のあたりだろうか。なんだか心配になる遊園地であった。
この室蘭本線(苫小牧−岩見沢)はかつて全区間が複線化されており、非電化複線の珍しい区間だったのだが、今や一日8往復のローカル線では複線は不要で、一部はレールがはがされた。久しぶりに乗って、どのくらい単線化が進んだのやらと思って外を見ていたが、意外と複線が残っている。特に南半分はそっくり残っており、早来と遠浅の間だったか、対向列車とすれ違った。まさかの事態に驚いた(^_^;)
残っていると言えば栗山駅の夕張鉄道廃線跡である。駅裏のかつての駅跡はまったく面影が無いが、駅の南でオーバークロスするための橋脚が片方だけ(進行方向右側)あった!もう何もないかと思って心配した。追分駅にはSL終焉の地として有名な追分機関区があったが、これも今は無くだだっ広い敷地だけが残っている。長時間停車するので石勝線の特急でも来るのかと思ったが何も来ず、ただ止まっているだけ。
平日夕方ということで特に高校生の利用が多かった。1両とはいえそこそこ使われているようでなにより。経営がかなり厳しいローカル線であることは間違いないので乗っておいて損は無かった。