711系の懐かしい旅

せっかく来た北海道だが特に用事はないので(^_^;)、もう乗ることも無いと思っていたアレに乗りに行くことにした。札幌駅から改札を出ないで直接、区間快速岩見沢行きに乗車。JR北海道の新型車両733系の3連でお客はそこそこのっていた。車内ロングシート車ではデッキが無く、寒いかと思わせるがそんなに寒くない。何より驚いたのはその静かさで、3両編成の真ん中の車両に乗り、電車なのにあまりにもモーター音がしないからこの車両はサハなのか?と思ったが確認するとモハだった。JR北にはこんな高性能車両があるのか。
岩見沢への途中に停車した野幌駅が、高架化されていて完全に昔の雰囲気を無くしていたのに驚いた。野幌と言えば夕張鉄道の始発駅で駅裏からはそれらしき細い道が伸びていてその先に車庫みたいな建物もあったと思ったのだが、今や駅も駅周辺も見事な都会の駅になっているではないか。あの野幌が…名前の響きから言って田舎くさい野幌が…時の流れを感じた。
岩見沢に到着する前、狙っていたアイツが側線をゆっくり移動しており、私はこれに乗るのかと期待した。アイツとはJR北海道の古い電車711系で、新型733系等の導入により今春に全廃されるとのことである。既に運用区間岩見沢から旭川までの間に限定されており、711系で運転される列車をネットで調べてマークしていた。ちょうど「北斗星」下車後すぐの乗り次ぎで、岩見沢711系列車に当たるようになっていたのは好都合。
並走して動いていた711系だが、そいつは別の側線に入ったまま動かなくなった。なんだよ、紛らわしいな!しばらく待つと反対方向から711系が入線してきた。見るからに年季の入った車体は長年気候の厳しい北海道で走り続けた証である。しかしパンタグラフだけは新しいシングルアームのに交換してあった。3両のうち両端2両を3扉に改造した車両なので、未改造の真ん中の2扉車両に乗ることにした。711系は近郊型電車ではあるが元々2扉でデッキもあるので車内の雰囲気が急行型に似ており、実際に急行に使われたりもした。その昔懐かしい昭和時代の急行型の雰囲気が楽しめる2扉車に乗らなくてどうする。
懐かしいボックス席に座って出発を待つ。特急列車の発着を待っていよいよ出発したその時、ホームに見覚えのある奴がいた。アイツは、「北斗星」の車内を朝からウロウロしていた鉄ヲタではないか。岩見沢まで来て、711系に乗らないの?何しに来たんだお前は。室蘭本線にでも乗りに来たのか?
それはさておき、711系は走りだすととんでもないことが判明。力行時にウーンと高らかにキカイの音が鳴り響き、騒音と振動がスゴイ。昔乗った時はこんなにボロじゃなかった気がするが、その時はモーター車じゃない両端の車両(クハ711)に乗ったのかもしれぬ。出発するたびにこれなのでいささか閉口した。とは言え古い711系の旅はそんなに悪くない。やはり雰囲気が良い。外は相変わらず雪で白一色だが問題なし。
列車は滝川終点なので、そこで下車して運賃を精算。さて…この先はいよいよすることが無くなった。ノープランである。さっさと札幌に帰ってホテルにチェックインするのもいいかと思ったが、自称鉄ヲタが昼間から鉄しないでホテルにこもるとかあり得んな、と思い直して計画を練る。ちょうど、特急「スーパーカムイ」と特急「オホーツク」がまもなくやってくる。「スーパーカムイ」で使われている785系電車は先日JR北海道キハ183系とともに全車置き換えの対象にすると発表した。ので、もしかすると次は乗る機会がないかもしれない。それ以上に「オホーツク」で使われているキハ183系0番台は真っ先に廃車対象に指名された緊急性の高い車両である。
しかし、183系じゃイマイチ食指が動かない。何かないかと思ったが、さっき岩見沢で見た室蘭本線の線路を見て「あれに乗っとかないといけないのでは?」と思っていたところだったので、それに乗ることにした。滝川から苫小牧までの切符を買い、「オホーツク」はパスして普通列車岩見沢へ。後で思ったが、「オホーツク」で岩見沢に行って室蘭本線に乗れば一挙両得じゃなかったか?と。