博物院で苦戦

故宮博物院は山がちなところにあって周囲は緑に覆われている。そして…当然かもしれないが博物院の建物はでかくて敷地は広い。人はまばらだが…それは小雨が降ってるからかもしれぬ。建物の中に入ると物凄い人の数!観光バスは建物地下一階のバス発着場に着くので、外に人がいないのも道理だ。
入館料は160ドルと安いが、耳に着ける音声ガイドが100ドルなので、金をケチってそれは借りなかった。荷物はクロークに預ける必要があるが、よく見るとコインロッカー(しかもタダ)もある。どうせ全部使われているだろう、と日本の感覚で思いつつ念のためにロッカーに行ってみるとほとんど空きだった。なぜ?まあいいか。
中に入って一階から順番に展示物を見て回った。さすがに素晴らしい展示物がいっぱいで満足だったが、足が疲れてきた。やはり朝に無駄に歩いたのが響いたか…。二階を見終わり、三階に上がるとそこは!!…団体客でいっぱいだった。
何か重要な展示物があるらしい301号室と302号室には団体客が長い行列を作っておりとてもすぐに入れそうにない。しかもその団体客のなんとうるさいこと!大勢が大声でしゃべりまくっている。あれは大陸からの客なんだろうか。とにかく近寄りがたいのでまずは別室の展示物を見て回ったが、いよいよ嫁が足が痛い、もう帰りたいと文句を言うので一旦外に出てカフェで休憩。
休憩すると嫁の気力も回復したので再入館(半券があればタダで可能)し、301号室に行くとあれだけいた団体客が姿を消しており、余裕で入室。そこにあったのは、古い鼎と鐘であった。鼎と鐘は祭祀に重要なものであり、展示されているものは古代の西周時代のもので、そこに彫ってある文字ともどもとてつもなく貴重なものだそうだ。
302号室も人が減っていたので行ってみると、そこにあったのは「角煮」と「白菜」であった。これまた中国人の大好きな「玉」の逸物で、原石が角煮に見えたらしい匠が本物そっくりに彫り上げたのが「角煮」、ヒスイの質の悪い原石を匠が才能と努力をフル回転させて最高のモノに仕上げたのが「白菜」、とのこと。原石を見てこれを何にすると最高なものになるか考えて、仕上げる。そこがスゴイらしい。でも、角煮に白菜…私はこれらを匠のジョークと解した(^_^;)
シュールなのは展示場だけでなく、お土産物売り場に行くとそこは白菜がいっぱい!博物院のエース展示物「白菜」を模したお土産がとにかくいっぱい。大きいのも小さいのもあるし、マグネットやらストラップやらさまざま。これって見学者が感激して買って帰る分にはいいお土産だが、誰かに渡すお土産としては…もらった人もよりによって白菜もらっても「???」となるに違いない。価値がわかる人向け。