春の鉄その2

いったん帰宅して、今度は車を置いてTXで都心に向かう。嫁もたまたま渋谷方面に用事があったので一緒に移動し、北千住でメトロ千代田線に乗り換え。嫁は表参道で下車し、私はそのまま小田急まで乗り通す。
小田急は3月に代々木上原から梅ヶ丘までの連続立体交差が完成し東北沢・下北沢・世田谷代田の3駅が地下化した。同区間は引き続き複々線化工事を続けており、そのため東北沢と世田谷代田は仮ホームで営業中。すべて完成すると両駅のカタチは変わってしまうため、今のうちに訪ねておこうという算段である。
まず東北沢でホームに降りると…こ、これは!思ったよりもはるかに亜空間ゾーンになっている。簡単に説明する自信がないが、東北沢は真ん中2線が各駅用で島式ホームが設けられた。外2線が急行線で、急行通過駅である東北沢には急行線ホームは要らないが、今回開通した線路は急行線のみ。そのため、急行線を走る各駅停車から乗降するための仮ホームを設置している。
そのため真ん中の島式ホームがえらいだだっ広くなり、一種異様な空間となっている。小田急は電車の運転本数がきわめて多く、東北沢には10分間隔で各駅停車が止まるのだが、その10分間に3本通過電車があるため、列車案内表示器は上下線とも3列すべて「通過」と表示され、これがまたシュール。
それにしても、小田急の電車は見ていて飽きない。特急型もあるし通勤型も多数の形式がある。メトロの電車も走ってくる。列車種別も行先も多種多様で、頻繁に走ってくるけど一つとして同じ列車がない。近い将来JRの電車も走る予定。鉄は小田急好きが多いが、さもありなん。
東北沢が予想外に面白かったので、世田谷代田も大いに期待。その前に下北沢だが、ここは急行停車駅なので急行線と各駅用とで別々にホームが設置される。よって、現時点で既に急行線ホームは完成形。乗換駅だしいずれ降りることもあるだろうということでここはパス。
下北沢と世田谷代田は複々線がタテになり、上のトンネルを各駅停車が、下のトンネルを急行が走るが、今回開通したのは下の急行線ということで、各駅停車しか止まらない世田谷代田には今回急行線に仮ホームが設置された。複々線完成後は撤去される予定であり、世田谷代田の急行線ホームは今しか見ることのできない貴重な存在。これは今行っておくしかないでしょう!
仮駅ということでどんなにしょぼいホームなのかと想像して行ったら、意外や世田谷代田の仮ホームは立派なホームだった。ちょっと作りは質素だが、幅も広いしこれが完成形と言われても違和感ない仕上がり。エスカレーターは無いがエレベーターはある。ほんとにこれが短期間で撤去する駅のしつらえなのか?と不思議に思った。
興味が沸いたので階上の改札コンコースに行くと、ここがすさまじい亜空間ぶり。極めて質素な空間に、いかにも仮っぽい改札と駅事務所が。聞いた話ではここの階は各駅用ホームになるとのことだが、たしかにフロアの中央部がコンクリの床で、左右は板になっている。この板を撤去して各駅用ホームになるのか?その場合、この改札口は一体どこに行くのか?まあ、仮駅だしこれからどんどん変わるのだろう。
ここまですごいと、いったい地上はどうなっているのか?と、改札を出る決意。長いエスカレーターで地上に出ると、ここもやっぱり亜空間。廃止された地上駅の一部を流用して駅入口が作られているが、撤去作業の途中なのでまだ跨線橋など遺構の一部が残っている。駅周囲は閑静な住宅街で、電車が地下に潜ったからますます閑静になったのだろう。ひととおり見て回って、さて地下に降りるとかとエレベーターまで行ったら、向こうの方に歩道橋が見えたので行って登ってみた。歩道橋からは小田急廃線が見渡せた。複々線工事中なので、完全な更地になるのはまだまだ先のようだ。