山また山の連続

洞爺湖を離れて北上すると今度のお相手は羊蹄山となる。湖の次は山だ。羊蹄山は標高の高い山だが、その周囲には高い山がないので非常に目立つ。そうこうしながら留寿都村に突入。留寿都は初めて足を踏み入れるところで、スキーでも有名なのでどんなところかと思ったが夏はひたすら農業の村という感じだった。
留寿都から倶知安方面に行くには、そのまままっすぐ走って喜茂別から京極を通って倶知安に行くルートが一般的かと思った。その方が喜茂別から倶知安まで胆振線廃線跡と並走できるのでまた線路跡を探しながらドライブできる楽しみもあるし。しかし一方で、まだ未踏の地・真狩村に行ってみたいという欲求も大きく、結局はそれに負けて留寿都から真狩村を通ってニセコに抜けた。羊蹄山の南側を走り抜ける形になり、山が本当にでかかった。真狩村は見事に農業一辺倒という感じで何もないところだった。ここ出身の有名人、細川たかしの記念館があったが、本人が元気にご存命のうちから記念館ってどうなんだろうとちょっと思った。
ニセコからは国道5号をひたすら走る。朝札幌を出てからずっと人の少ない地域ばかり走ってきたので目がそれに慣れてしまい、倶知安の市街地が久しぶりの市街地ということで都会に見えてしょうがなかった。時間があればここからさらに積丹半島を一周してみたかったのだが、既に夕方になりつつあったのでそれは断念してまっすぐ行くことにした。途中、JR小沢駅で小休止。ここからは昔国鉄岩内線が出ていたが、私が北海道に初めて行く一か月前の1985年7月に廃止になっていた。駅構内は既に変り果てて駅舎も建て替わり、岩内線の跡もかつての岩内線ホーム跡が残る程度だったが、跨線橋の端に岩内線を記念する小さい碑が建っていた。
さらに国道を走って余市に到達。ここまで来るとずいぶん都会に来た感じがしてくる。余市といえばニッカウヰスキー。というわけでJR余市駅近くのウイスキー工場に行くと見学時間終了間近で売店も店じまい寸前だったが、いくつかの蔵の展示物を見て回り売店も物色。ウイスキー屋さんなので売店の売り物も酒が主力。中でも工場蔵出しのシングルカスクなるウイスキーは小っちゃいビンでも5000円という破格の値段でおったまげた。こんだけ高いときっとうまいのだろう。ウイスキーは全然たしなまないけれども。
余市からは一路小樽を目指すが、ここまで来ると国道を走る車の数も増えて速度も遅くなってくる。左は海、右は山という険しい地形を通るが、並走するJR函館本線の線路脇に三脚を立ててる鉄ヲタらしき人間がいるのが見えた。もうすぐ珍しい列車が通過するようだが、もう日はすっかり暮れているのにどうやって写真を撮るつもりなのか。ストロボだけはたかないでくれと思うが。
さらに走って小樽市街地に突入。小樽はものすごい都会に見える。駅に近いホテルに到着し、チェックインしてホッと一息。飯を食いに行こうとして外に出たところ、駅の方からボーっという野太い汽笛が聞こえてきた。これは間違いなくSLの汽笛だ。さっきのヲタの狙いはこれか。もっとも真っ暗闇で黒いSLを撮って何が写るか知らないが。
夕食は事前に調べていた食べ放題の店で暴食。観光都市小樽は夜歩いても面白いが、さすがに店は多くが閉まっていて外観を見るだけになるな。