寝台特急かくも落ちぶれたり

まずは土曜夕方の話から始めなければならないのだが…寝台特急はやぶさ・富士」という違和感のある列車に乗るために東京駅に出て、ホームにあがるとそれはいた。しかし…富士もはやぶさも14系15型になってしまったんだなあ。なんとも寂しさ爆発って感じ。私の乗るB個室ソロは3号車だが、上段寝台が当たってしまい進行方向後ろ向きにすわらなければならないのは残念。上り列車だったら上段のほうがいいのだが。
ところで、東京発九州方面行きの寝台列車から食堂車が消え、車内販売もいなくなって久しいが、乗客は乗車前に下車するまでの食糧を持参するのは既にセオリーとなっている。私もそうしようと思ってホーム上の弁当販売の売店に行くと…ななななな、なんとおおおお!!売店も閉まってるではないかあああああ!!!!!!!…信じられん。これから一晩乗車する列車のホームで弁当も売ってないとは。JRは一体どこまで寝台列車を軽視すれば気が済むのか。多分、全部廃止になるその日までなんだろうなぁ。
仕方がないのでホームを降りてコンコースにある売店で弁当を買おうとした。しかし東京駅コンコースの出店はいつの間にか土産物屋ばかりになってしまったような…?出発まで時間がないので少し焦るが、弁当屋を発見して3食分購入。終点の熊本到着は翌11時48分なので昼飯まで食うつもりだ(^_^)。ついでにいうとホーム上ではJRのコンビニ「NEWDAYS」は営業している。多分コレで事足りる、とJRは思っているのだろう。せっかくの寝台特急の夜をコンビニおにぎりで過ごせと言うのか。困ったもんだ。
そして全ての準備を終えて乗車。出発後しばらくして夜食を取るときに、私は気がついた。弁当3食分、全て賞味期限が本日中であることに(;_;)。さすがに一晩で弁当3つは無理。賞味期限が切れた弁当を翌日食うしかない。それにしてもJRのヤツ、「はやぶさ・富士」にこんなに辛く当たるとは。それほど運転したくないならとっとと廃止してくれ。これ以上老醜を晒すのはかわいそうだ。(なんて書いていたら「彗星」が10月で廃止になるとか。Xデーは着実に近づいていると感じる。)

九州内でもっとも扱いの悪い寝台特急

やっと日曜日のことを書く。朝起きたら、というより放送に起こされたら「まもなく柳井に着きます」とのこと。B個室ソロの個室の窓は残念ながら山側についており、瀬戸内海の景色を部屋にいたまま見ることはできない。仕方なく山側の景色を見る。
下関で機関車交換のための停車。駅ホームではうどんを販売していると言うが、うどんスタンドは8号車付近のみという。私は3号車で遠すぎる。昨日の東京駅の有様では多分きっと車内は欠食児童の集団であろうから下関駅ホームには飢餓状態の乗客が大挙して押し出しているのだろう、と思ったら買いに行く気力も失せる。次の門司でははやぶさと富士を切り離すためにまた長時間停車。門司の7,8番ホームが消えてなくなり、駅裏にあったサッポロビール工場も完全に更地となり広大な土地が生まれている。門司駅の新入り口や駅前ロータリーなんかが出来ていて、次に来た時はこの門司北口は全く姿を変えていることだろう。
赤間運転停車して、後続の特急ソニックに追い抜かれるのを待つ。はやぶさや富士を運行しているのはJR九州であるが、九州内でもっとも扱いがぞんざいである。実ははやぶさを小倉で乗換えた方が鹿児島には1時間も速く到着できる。もう惰性で走ってるとしか思えない。このような列車を熊本まで乗りとおす客も相当なヒマ人だが、好きでやっているのだからとやかく言われる筋合いも無いというわけだ。

のんびりきっぷでのんびり行くべし

実ははやぶさを熊本で降りた後すぐに来る特急「つばめリレー号」に乗換えたら、新八代九州新幹線「つばめ」に3分接続、鹿児島中央で特急「はやとの風」に接続、吉松で観光列車「しんぺい」に接続、人吉で熊本経由別府行き特急「九州横断特急」に接続、とわずか半日で一周できてしまうようなダイヤになっている。しかしこれはあまりにも便利すぎて、コレを狙って乗る鉄道マニアがウヨウヨいるのが予想できるし(マニアはなるだけ効率的に乗車しようと狙ってくるのが多いはずだから)、各駅での乗換え時間が5分程度で矢鱈に忙しすぎる。忙しい旅はこれまで散々し尽くしている。
というわけでいったん熊本で下車して、JR九州管内でしか売っていない「指宿・霧島のんびりきっぷ」なるフリーきっぷを購入。これは熊本から1万円で片道新幹線、片道肥薩線という両極端な二つの線路を乗車して鹿児島まで往復できるきっぷで、在来線は大部分がフリー乗車区間になっている。もちろん博多などからでも買える。これを買って新幹線+リレーつばめ号の予約をしてからラーメンなど食ってのんびり行くことにした。
リレーつばめ号と新幹線つばめ号は新八代で同一ホーム乗換を実行しているが、そのために在来線のリレーつばめ号が新幹線ホームまで駆け上がるための仮線、これに乗らなければならないというのが今回の旅の目的の一つ。いや、新幹線そのものはいつでも乗れるだろうがこの仮線は新幹線が延長したら廃止になるので、この仮線に乗ることが最大の目的と言っても過言ではない(^_^;)。その仮線であるが、複線なのに片側の線路は赤錆だらけで使われていないのでなぜかと注視していたら、突然線路の幅が広くなった。ああ、これはあの新在直通列車フリーゲージトレインの試験線だったのか!と感激している間に駅についてしまった。
新幹線つばめも、知っていたけど椅子が木製!!に改めて驚く。しかも新幹線なのに4列シートじゃないか。そんなこともすっかり忘れて、指定券にD席とあったので通路側だと思っていた(^_^;)。余裕で海側の窓側席をゲット。もっとも九州新幹線は線路の約7割がトンネルで、地下鉄と言っても大げさではない。しかもせっかくの好設備なのに35分乗っただけで終点である。

鹿児島近隣を乗り潰してしまいました

とりあえず今日の目的地・鹿児島中央駅には着いたが、まだ15時だ。とりあえず荷物をロッカーに放り込んで、フリー乗車区間の指宿まで快速「なのはな」号で往復。鹿児島は暑いが、キハ200型の冷房があまり効かないので閉口。窓が汚いのにはもっと閉口する。戻ってきたら今度は宮崎ゆき特急「きりしま」号に乗って、国分まで。きっぷは霧島神宮駅まで行けることになっているが、そこまでいくと帰りが遅くなる。という風に時間を潰して戻ってきたらやっと18時。しかしまだ空は明るい。そこで今度は鹿児島市電乗りつぶし。中央駅から鹿児島駅前まで路面電車に乗り、今度は反対向きに谷山駅まで乗る。これが意外に時間がかかって外はすっかり暗くなってしまった。20時に中央駅に戻ってきたら店の大半が閉まっていて閉口。メシはどうする?結局駅前の商業施設のB1階にあった「ざぼんラーメン」をおいしく食してきた。宿は国分から戻ってきた時に3670円の激安ホテルを確保。しかしこの部屋がさすが安いだけあって猛烈に狭かった。
ざぼんラーメンを食っている間に、すぐ近くにあった「しろくま」の元祖の店まで営業終了してしまったのは痛恨だった。しろくま、食いたかった…