最後かもしれない非冷房車の旅を堪能しまくり

今日は昨日までの天気が嘘のような快晴。今朝も朝一番の列車に乗るために網走駅に発車40分前に行くが、今日の列車は6時41分釧路行きなので昨日より一時間も遅い。駅に着くとちょうど5時51分発、石北本線の一番列車、札幌行き特急「オホーツク2号」が出発していった。その次の列車も石北本線普通列車西留辺蘂行き。西留辺蘂って…昨日の東相内といい、変わった行き先の列車が多いな。
改札が始まるまでずっと改札口前に仁王立ちするのは、昨日と同様の理由。今日乗る列車もキハ54が充当されるため、ちゃんと窓がある座席を取らないといけない。ところが、久しぶりに乗ったためか盲目的に海側の席を取ったのがやや失敗。海は見えることは見えるが、大部分は砂丘にさえぎられて目の前は砂しか見えないorz
むしろ原生花園が見られる進行右側、つまり山側のほうがむしろ景色がいいかもしれない。もっともこの時期原生花園に花は咲いてないが。
しかし一部しか見えない海側にも興味深いものがあって、砂浜にひたすら釣り竿が刺さっている。こんな朝早くから海釣りに精を出している人が、こんなにたくさんいるなんて。釣り竿のみならず小さいテントが多数みられるのだが、まさか砂浜にテント張って一夜を過ごした?そうなのかもしれないが、どうやらこれは浜に刺した釣り竿を見張るための見張り小屋らしい。風がスゲー強いからなあ、小屋無しで釣り竿見張るなんてできそうにない。
日曜早朝というのに車内は結構それなりの乗客がいて、多くは観光客だが地元民も少しいる。どこ行くのかな、知床斜里で降りるのかな、と思っていたらやはり知床斜里で大量下車。斜里を出ると進行左側には根北線の跡が続いていたはずだが気が付かなかった。もしかして整地されて消えてしまったのか。もう進行左側に未練はないので進行右側の座席に移動する。
清里町でさらに下車があり、車内は極めて空いた。ので、いよいよ窓を全開。ああ、気持ちいい。もしかしたらもう一生こんな経験はないかもしれないと思うと感無量、と言いたいところだがやはり少し寒い。もうちょっと早く来ればよかったなぁ。
近くの座席でひたすら漫画を読んでるやつがいて、特に気にしてなかったがふと目に入ったその漫画はゴールデンカムイだった。おいおい、もしかして北海道を旅してゴールデンカムイ読んで明治時代の北海道の気分に浸ってるってわけかい(^_^;)
そうして40分ほど幸せに浸っていたが、川湯温泉のホームに多くの乗客が待っているのが見えて窓全開はジエンド。うーむ、釧網本線も列車本数少ないから乗客も少ないのかと思ったら意外と観光客が多い。気候が厳しいためか線路脇には防雪林が多く、景色を見たい人にとっては若干うざい。
弟子屈町の摩周駅に着くと更に観光客が乗り込んできて、盛況になってきた。そういえば石北本線は美幌まで無人化しているのに、釧網本線は斜里も川湯温泉も摩周も駅員がいる。…と思ったが調べてみると川湯温泉に駅員がいるのは観光シーズンのみだそうだ。
標茶からも客が乗ってきて釧網本線って客多いんだな(^_^;)と見直しつつ景色を堪能していると、いよいよ右手に釧路湿原が見えてきた。いやー今日快晴でよかったな。湿原の大自然堪能しまくりや。
湿原観光の玄関口、塘路で5分停車して上り網走行き快速「しれとこ」を待ち合わせる。やがて上り列車が来て客が降りてきたが…えええ、えええええ???後から後からどんどん人が降りてくる!まったく尽きることがない人の波。しかも降りる人間が年配の男女ばっかり。なんだこれは?
こちらの列車が先に発車したが、向こうの列車の車内には降りようとしている乗客がまだまだたくさん乗っている。どうやらこの駅まで車内は超満員だったらしい。いややーこんなに朝早くからローカル線に乗って超満員とかいややー(;_;) この列車に乗らなくてよかったと心底思った。
この爺婆の団体は何なのか、どうやらクラブツーリズムのパックツアーの参加者であるらしい。そういえば駅前に観光バスが2台止まっていたな。予想だが、朝一番に釧路駅から列車に乗って塘路まで車窓から釧路湿原を堪能したのち、塘路でバスに乗り換えて釧路湿原を更に堪能し尽くすツアーなのではないか。それはそれで有意義なツアーではあるが、定期列車に大量の団体客載せて超満員ってのは鉄ヲタ的には一番勘弁願いたい事態ではある。
やがて釧路湿原も尽き、いよいよ釧路が近付いてきた。この列車旅も釧路で終わりだ。楽しかったけど、寂しい。もうずっと一生乗ってたいけどそんなわけにもいかぬ。せめて一駅だけでも窓全開にしたい(^_^;)と思って東釧路から窓全開にしてみたら、この区間は海が近いため風が強すぎていかんともしがたかった。
列車が釧路に到着して、改札口を出る。その時、駅員に堂々と途中下車を宣言する。切符の行き先が釧路の隣駅の大楽毛だったのはこれが理由で、手元に切符を残すための鉄ヲタが使う昔からの知恵である。鉄ヲタならだれでもやるイロハのイだ。もちろん途中下車印もしっかり押してもらう。途中下車印は上川、北見、網走、釧路となぜか旭川も関係ないのに押されている(駅員が自ら押した)が、名寄で押してもらうのを忘れた。なお大楽毛まで延長しても運賃は同額なので損はしていない。