これが見たかった景色

豊富から国道40号線をいったん下沼まで南下して、そこから右折して西海岸に向かう。突き当たると、目の前には海!そして左手にはでっかい風車群がずらっと一直線に並んでいる。この風車群はオトンルイ風力発電所といってWikiによると28機の風車が南北3.1㎞にわたって一列に並んでいる…とあるが数も長さもどうでもなるくらいにひたすら長くてめちゃくちゃ数が多い!風車がむこうの果てまで並んでいる錯覚に陥る。ここは日本なのか、と疑うくらい日本離れした雄大すぎる景色。以前ここにきて雄大さに感激して今回再びやってきた次第である。
目の前の海沿いの道路は道道106号線稚内天塩線と言って北海道西海岸オロロンラインを構成する道路であるが、とにかくひたすら一直線で周囲は海とノッパラしかなく、海の向こうに利尻富士が浮かび、反対側の陸にはせいぜい牧草地くらいしかなく後は原野。数少ない人工物の一つが先の風車である。
交差点を左折して風車を見ながら走りたいところだが、それだと南端の天塩側に行くことになってしまい稚内で明日の乗車券を買う暇がなくなってしまう。ので風車に近寄って写真を撮るだけにしておいたが、風車を見られるだけでとりあえず満足。
そこから向きを北に変えて道道106号線を驀進。今日、東の猿払に行ってから西のこちらに来たのは意味があって、夕陽が沈む日本海を眺めながらオロロンラインを驀進したかったのだ。今日は天気が悪いと聞いていたが来てみると晴れていたのは全くの僥倖。しかも今日は雲がとても多いので空も表情が豊かで飽きない。夕陽が雲に隠れたり雲から出たりするたびに明るさも景色も変わって実によい。利尻富士のてっぺんには雲がかかっているが、夕陽を背にした利尻富士のなんときれいなことよ。
平日だからか、すでに観光シーズンオフになりかけているからか、通りがかる車もごく少なくドライブは快適そのもの。問題は風が強くてしかも寒いことで、我慢して窓を開けているが体が冷え冷えする。なお、借りたときから車には強い暖房が入っていたが、9月に暖房はねえよ!と思っていたがこれだけ寒いと暖房は必須である。
しばらく驀進すると信号機と数軒の建物が見えてきた。これは稚咲内というところでWikiによるとこの道道の信号機は稚咲内交差点の一基しかないとのことだが、確かにこの後抜海までそのようなものは無かった。建物には人気が感じられなかったが、住んでるわけではなく漁師の番屋なのかもしれない。
またこの道道には何にもない平地の真っただ中に突然シェルターが現れる。これは吹雪から避難する際に使うパーキングシェルターというもので確かに中は広くて駐車ができそうではある。が、こんなところに避難しなきゃいけない日にここを車で走りたいとは微塵も思わない。