開き直って食い倒れ

伊丹空港で審判は下された。プロマネからの指示は我らが機上にあるうちにメールにて発せられ、我らは地上に降りた後にそれを知る。いわく、引き返せと。
…まあ、そうやろうね。万が一の可能性を考えて飛行機に乗ってはみたが、向こうにすでに人員もいるし、彼らに代役をやってもらえばよかったのだ。そういうわけですごすごと帰ることになったが、二人ともまだ昼飯を食っていない。じゃあ、私が行きつけ?の店に連れてってやるよ。
というわけで、伊丹空港から大阪モノレール北大阪急行、地下鉄御堂筋線を通って1時間もかけて移動した先は新世界。そう、串揚げの有名店・八重勝である。昔、友人Hに連れて行ってもらって以来ことあるごとに通っている店。大阪には珍しい行列のできる店。しかし、それも仕方がない。だってうまいんだもの。
雨が降る中だが敢えて行ってみたが、平日の昼下がりということで商店街は閑散としていたが八重勝の前だけ行列が。やっぱダメか…。しかも外国語を話す奴ばっか。20分ほど並んでようやく入店。店の雰囲気は変わってないが、いつの間にやら外国人向けのメニュー表ができている。店員も、以前は無口な人たちだったのに英語や中国語でオーダーを取ってる。
そして居並ぶ客を見るとアジア系だが明らかに日本人ではない人ばかり。中国人である。…といいたいところだったが、奥さんが台湾出身という後輩社員はそこにいる外国人は全員が台湾人であると断言。大陸人とは同じ北京語を話すがイントネーションが違うので容易に区別できるらしい。私には到底無理だが。
おそらく、台湾の旅行ガイド本に八重勝が載っているのだろう。まあ、やることは日本人と全く同じだということだ(^_^;)
後輩社員も大阪の串揚げには満足してもらえたようで連れてきた甲斐があった。大阪は全く知らないという彼のために、わざわざ新世界を北上して通天閣の真下を通って恵美須町から堺筋線に乗車。このまま帰宅するという後輩社員とは日本橋で別れ、私はとりあえず千日前線の北巽に行ってみた。
千日前線には悪い思い出があって、初めて乗った四半世紀前の悪印象をいまだに引きずっている。あの時の千日前線は、駅は薄暗くて気味悪く、電車は昭和30年代の開業時から使っているボロイ電車で、非冷房なので窓全開で走るとゴーゴーと大きな音がし、まるでニューヨークの地下鉄みたい。一度恐怖を感じると、乗客もみな人相の悪い恐ろしい人間に感じて怖くてしょうがなかった(^_^;)
しかし今日乗った千日前線は駅は明るく電車は新車できれい、そうなると乗客も上品とまでは言わないがいたって普通。そらそうやわな。
終点の北巽にせっかく来たので地上に上がってバスにでも乗るかと思ったが、楽しげなバスもなさそうだしなにより地上に出る階段が改札口から遠い(^_^;) というところで、この前大阪に来た時に乗ろうと思って断念していた南海汐見橋線高野線)のことを思い出し、千日前線を折り返す。結局、北巽に行ったのは無駄だったな。
千日前線桜川駅で下車し南海駅を目指すが、地下鉄から南海に行くには阪神なんば線桜川駅を通り抜ける必要があり意外と遠い。とはいえ、陸の孤島みだいだった汐見橋に連絡駅ができただけでもありがたい?
雨がザーザー降る中到着した南海汐見橋駅は、以前にもましてうらぶれていた。都会の真ん中にあるとは到底思えない古ぼけた駅舎にホーム、雰囲気は昭和のままだ。改札口の上に掲げてあるでっかい路線図はボロボロに剥げていた。乗客は数人で、くっそ寒い中ホームで今晩の宿をネットで探す。が、今日は意外と安いホテルの予約状況が厳しい。新今宮で安いホテル探そうと思ったが満室だ。一泊1000円台の超絶安いホテルには空きがあるが、さすがにそれは嫌だ。
宿が決まらないまま汐見橋線に乗車。途中の駅で高校生が大勢乗ってきて閑散電車とはならなかったが、沿線もうらぶれた感じで寂しい感たっぷりである。
岸里玉出駅南海本線に乗り換えるが、この駅は無機質でコンクリが冷たい感じの駅である。なんば行きに乗って新今宮で降りようと思ったが気が付くと終点なんばだった(^_^;)
宿探すのに疲れて5000円の適当なホテルに決めた。JR難波駅近く(つまり道頓堀の商店街の西の端)に決めたが、南海なんば駅からスゲー遠い。雨降っているので地下から行くが、さすが日本有数の難易度を誇る複雑怪奇な難波ダンジョン、ひたすらJR難波の文字を追って何とか迷わず目的地に行けた。