野田の野望

千葉・野田市などが目論む壮大な「東京直結鉄道」計画は果たして実現可能か」…国土交通省の運輸政策審議会第18号答申に「着手すべき」と高らかに宣言されているのにこれまでガン無視されている路線が東京東部に二つ。メトロ半蔵門線は押上まで開通したところで東武に直通しているが、もともとの計画では松戸方面に行く予定だった。まあ、これはもう要らんよねって気がしないでもない(^_^;)
そしてもう一つが、有楽町線豊洲から分岐する支線のこと。豊洲から北上して江東区を縦断、押上から四ツ木、亀有を通って埼玉県八潮まで行き、そこからさらに野田市まで!という実に壮大な路線である。
江東区はこの路線の建設を熱望しているようだ。そらそうだわな。東西の交通機関しかない江東区にとって南北縦断鉄道は希望の星である。きっと利用客も多いに違いない。途中の住吉−押上間は半蔵門線との共用となる予定だが、住吉駅などは既に有楽町線が来る前提で駅が作ってあると聞く。もし押上まで建設されると、東武の列車が半蔵門線だけじゃなく有楽町線にも乗り入れ出来て、都心の地下鉄網がますます複雑になると(^_^;)
でも、この路線は出来ない。メトロが「もう新線は作らない」と難色を示しているからだ。せめて豊洲東陽町だけでも作ってくれればけっこう便利になるのだがナァ。こうなると、沿線自治体が一致団結して第三セクター鉄道を作って建設するしかないのだろうか。ちょうどつくばエクスプレスができたように。
しかし第18号答申を見るとこの路線について「今後開業する常磐新線の投資効果が減殺しないよう留意して、着工区間、時期等を決定する。」と注がついている。常磐新線とはTXのことで、要するにTXの邪魔はするな、ということだ。だからかどうか知らないが、埼玉・千葉・茨城の関係自治体は八潮−野田間の建設を先行して誘致するつもりのようだ。なるほどこれならTXの乗客増も図れる。そんな手があったか。
茨城県がかんでいるのは、野田から先の茨城県坂東市方面への延伸も期待してのこと。埼玉県東部、千葉県野田、茨城県坂東、これらの自治体はいずれも交通が不便なところばっかりだから、鉄道を建設する意義もちょっとはある気がする。
実際、野田市内をうろつきまわるとところどころに東京直結鉄道の建設促進の看板が立っている。看板に描かれた車両は有楽町線(というよりは副都心線)の10000系である。地下鉄までは到底届きそうにはないが、八潮までに限ればもしかしたら…無理かな…まあ、野田の野望が成就すると面白くていいけどね。