心は晴れない

約束の時間よりかなり早く到着したつもりが、新青森駅でもたもたしてしまったので飯を食う時間が無くなり、青森駅ビルに入ったもののとんかつ屋で食う暇もなく、やむを得ずミスドでドーナツを食した。青森まで来てミスド!自分でもビックリだね!orz
青森駅前からタクシーに乗ると、ちゃんと訪問先の玄関まで車を付けてくれた。当たり前のことかもしれないが、こんな日は特にありがたい。
仕事も無事に終わり、お客さんにタクシーを呼んでもらって客先の玄関から新青森駅まで直行。吹雪で交通量の多い国道もコチンコチンになってはいるが、国道はまだ安心して乗っていられた。しかし、国道から外れて駅に向かう市道に入った途端、除雪の十分でない真っ白い道路を走る恐怖が!タクシーは後輪駆動だからかツルツル滑ってスタッドレスタイヤも関係ねー!って感じ(;_;) しかしまあそこはプロのドライバー、無事故で駅まで送ってくれた。有難し。
タクシーの車内で検索して知ってしまったのだが、今夜の上り北斗星は札幌−函館間を運休し、函館始発で運転するようだ。函館発なら、乗れるな…既に東京までの新幹線のキップを購入済みだが、乗変して函館からの北斗星の寝台券に変えるか?函館発に変更された今日なら多分キャンセルが大量に発生しているはずなので、乗れるはずだ。心が揺れる。
しかし…社会人は明日も仕事があるというのが辛い。まあ今の職場は朝からキッチリ出勤してなければいけないというほど厳しくはないので(^_^;)、断りを入れれば午後から出社も可能ではある。しかししかし…明日も明後日も仕事が山盛りだ。貴重な時間を私用で費やしていいのか…
私が思いとどまった最大の理由は、やはり悪天候だ。今青森市内は吹雪ではあるが、基本的に太平洋側は日本海側より天候が悪くなく、北斗星が函館発で運転するのもその区間が列車の運行に支障が無いと判断したからだ。しかーし、この後天候がさらに悪化しないとは断言できない。
つまり、せっかく北斗星に乗ったとしてもどこかで悪天候のためにストップして、翌日出勤できないなんてことになったら困る。もっというと、北斗星に乗車するために函館に向かう途中で列車が止まってしまったら最悪の結末だ。にっちもさっちもいかない上に北斗星にも乗れないなんて、マヌケの極みだ。
前者は多分無いと思ったが、恐れたのは後者で、函館に向かう特急白鳥の車内で絶望に打ちひしがれる自分の姿を妄想した。うーーん、社会人がそのようなリスクを冒すわけにはいかないようだ。青森出張はもう一回ある。その時に賭けよう。
諦めるという決断は下したものの、どうにも心が晴れない。どうも北斗星に乗るチャンスがもう二度と訪れないような気がしてならない。自称鉄ヲタなら、人生最後かもしれない寝台特急の旅に賭けるしかないのではないか…
そんな気持ちを振り切るために、ここで私は別の決断を下した。北斗星でテツできないなら、新幹線でテツすればいい。東京行きの新幹線には、まだ未体験のゾーンがあるではないか!というわけで、発車直前にみどりの窓口に行き、普通席からグランクラス乗変した。元々の特急券えきねっと割引で購入していたため、乗変により1万円以上の差額が発生したが、ええい!もはや知ったことかよ!!グランクラスに乗って贅沢してやらあああああ!!!
初めて乗車したグランクラスの設備は、やはり素晴らしいものだった。新青森から東京まで16,960円はまるでA寝台個室のような高額だが、電動シートでゆったり楽々。ビールやワインが飲み放題、もちろんジュースや黒烏龍茶も飲み放題。その上軽食が出てきた。軽食と言っても小さい弁当で、これとビールとワインで腹一杯だ。新聞も読み放題だが、私は乗り物酔いしやすく車内で文字が読めないのでそれはノーサンキュー。
こんないい車内にいて、イヤホンで音楽を聴いて過ごすなんてもったいなさすぎる。東京までの3時間、神経を集中してじっくりたっぷりグランクラスを堪能した。
まあそんなわけで地頭は倒るるところに藁をも掴め式に青森からの帰途を堪能したのだが、それでもやはり今日北斗星に乗れたのに乗らなかったというのは心に引っかかる。どうにも気が晴れないのだ。もし次の出張で北斗星に乗れなかったら、3月までに自腹切ってでも乗る努力をしようかと考えた。
念のため断っておくと、グランクラスの差額1万円は自腹である。出張経費には決してならないので、あしからず。