10年ぶりくらいに「北斗星」に乗車

さっき通った時には駅員がいた湯ノ岱は、当然のように無人。ゆっくり走って再び木古内に戻ってきた。残念な気持ちで列車を降りると、なんとこの駅も夜間は無人化。特急券買えない…。まあ、とりあえずすぐに来た函館行きのスーパー白鳥に乗ってしまおう。
白鳥の車内で思ったが、江差線木古内江差間は廃止となるが、残る五稜郭木古内間も北海道新幹線開業時には第三セクター鉄道に転換される予定である。こんな片田舎で第三セクター鉄道とか無理なんじゃねーの?その目的は貨物輸送にあるが、第三セクターになった時にはこの白鳥も走ってないし、貨物の他は客の少ない普通列車のみでやっていけるのかね?
函館駅は最近改築され、駅舎は小奇麗になっていた。が、やけに閑散としていた。駅にいくつか店舗が入っているが、キオスク以外は全部閉まっていた。ほとんどが19時半までの営業ということで、駅で飯を食うことは不可能になっていた。仕方がないので駅前で店を探すことにした。
函館駅は構内の遊休地を整理し駅舎をホーム近くに移転させて空いた空間をバスやタクシーの乗り場にした。それで駅前には広大なスペースが生まれ、大きな駅としてはまずまず立派な感じになった。しかし、駅前にはホテルが目立つものの、他の店舗が見当たらない。以前弘前に行った時も店が無くて困ったが、ここも同じようになってしまった。後で気がついたが、朝市のある方に行けば何か店があったかもしれないが。
結局駅前のセブンイレブンでビール等を買い、キオスクでお土産を買ってホームに入場。既に上野行きの特急「北斗星」が入線しており、機関車の付替えも終わっていた。時間があったので十分に余裕をもって行動していたつもりだったが、発車時刻まで意外と時間が無かった。自室に入ってほどなくすると列車が動き出した。
北斗星」には過去何度も乗車しているが、いずれも必ず始発から終点まで乗っており、途中駅の函館からの乗車は初めてである。どうせなら札幌から乗ってできる限り長い時間そこにいたい気持ちは高いが、いかんせん今回は時間が無いので。
青森からの帰りに北斗星に乗ればよい、ということに気がついたのは、実は前回「あけぼの」に乗った時。
・今後青森出張してももう二度と寝台列車には乗れないんだなあ
寝台列車はまだ北斗星があるぞ
⇒青森には止まらないが函館には止まるな!
⇒じゃあいったん函館に行けばいいな!!
というわけで今回のたくらみが実行された。
ところで私が北斗星に乗車するのは多分10年以上ぶりくらい。なので、いろんなことを忘れており、函館駅実車を見て思い出したことがいくつか…
北斗星には食堂車が連結されている(^_^;)
北斗星にはロビーカーが連結されており、シャワールームもある(^_^;)
北斗星のB個室寝台の鍵はカードキーになっており、北斗星のロゴ入りカードをくれる(カードキーじゃない普通の錠前の車両もある)
いやー…最近「あけぼの」とか何も連結されてない寝台列車ばっかり乗ってたから食堂車のことすっかり忘れてた(^_^;) もうビール買ったから翌朝行くか。でも実は食堂車忘れて朝食用パンを買って乗ったんだけどね。
ところで私が乗車した車両は9号車で、A寝台個室ロイヤルとB寝台個室ソロの合造車オロハネ25 500番台(501)であった。ソロは何度も利用しているがオロハネ25に乗るのは初めて。個室の室内が一番広いロイヤルと一番狭いソロが一緒というのはなんかシュール。上段個室が割り当てられたが、最近下段個室ばかり乗っていたので上段は久しぶり。なんか…屋根が丸すぎて頭上が狭い。窓が湾曲しすぎて外を見るのが難しい。こんなんだったっけなー上段って?
そうは言ってもあけぼののB個室よりは広い空間で、ゆっくりくつろぎながらビール飲みながら走行音を聞きながら寝台列車の旅を堪能するのはやはり素晴らしい。何物にも代えがたい。ああ、この幸せも来年まで?かと思うと辛くて切ない。
列車は函館を出ると後は真っ暗な中を走るだけなので、ビール飲み終わったら早々に寝ることにする。しばらく寝台でウダウダしていたら列車が止まったので外を見ると蟹田運転停車していた。次に止まった時は青森で、こちらも運転停車。機関車を交換する。時間を見ると0時くらいで、もし青森で客扱いしていたらこの時間までひたすら待って乗ることも出来ただろうが…そんな深夜まで青森にいるのも大変そう。
そして次に目が覚めた時は…まだ仙台だった。5時前くらいか。もう夜はあけていて外が見える状態だったので、そこからずっと外を見て過ごそうかとも思ったが、せっかくの寝台車なのでもうちょっと睡眠を堪能することとする。おはよう放送があったのは郡山手前で、そこからは起きて外を見ていた。うむ、やはり寝台列車の旅は最高だ。これがあと一年で…(以下省略)
7時前に食堂車に行った。いやー久しぶりの食堂車。カシオペア以来だな。朝定食は洋と和があり、どちらも1650円。…こんなに高かったっけ?と毎回思う。人件費を食ってるのと同じだからまあ仕方がないが。過ぎ行く景色を見ながらの朝食は最高。桜前線は今ちょうど福島にあるようで、沿線の桜の木がどれも見事に咲き誇っている。特にJR白河駅の真裏にある白河城址の桜が見事だった。
残念ながら楽しい時間には限りがあって、9時38分に終点の上野到着。13番線ホームには数多くの鉄どもが集まっていた。いかにもヲタっぽいオッサンやむさい男だけじゃなく、ガキ鉄連れのオヤジ鉄、最近増加中らしい鉄ヲンナも。関東に入ってから沿線にカメラ構えた鉄どももたくさん見かけたが、みんなそんなに北斗星が見たいの?まだ廃止まで一年くらいあるが?もしかしたら、北斗星の後にとても珍しい列車が走ってくるとか?みんなそれを待ってるとか??
…と邪推したのだが、あいにく速やかに帰宅する必要があったので、それについて詮索することなくさっさと帰宅した。それにしても、寝台列車は素晴らしい。あと何回、こんなチャンスがあるだろうか。