独房

いやー今日は快晴で良かったなー!果たして飛行機飛ぶんかいなと心配したが、飛ばない可能性は全くのゼロ。というわけで羽田から機上の人となった。
窓側に着席したが、関東は快晴で雲もないので関東平野はもとより遠く富士山までくっきり見える!リアル関東地図を見ながら、あれがスカイツリー、真下にディズニーランド、と景色を堪能していたら、隣席のご婦人が富士山を写真に撮ろうとした。ので、「電子機器は使用禁止ですよ」と言ってみたが、後で考えたらデジカメって離陸中は使用禁止だったっけ?電子機器なのは確かだが、電波出してたっけなあ(自動でストレージに写真を飛ばすやつは間違いなくアウトだが)。
などと若干悶々としていたら、栃木を過ぎたあたりから眼下に雲が広がって地面は見えなくなった。
さて目的地の青森が近くなってきたら、雲もはれて地面が見えてきた。冬なので当然ながら真っ白!…かと思ったら十三湊あたりはあまり積もってない。そんなもんか。
着陸態勢に入ったがずっと下を見ていたが、やがて眼下に海が見えてきた。海?なんだこの海は。そういえば左手に見える陸地はどう見ても津軽半島。海岸沿いに住宅地がへばりついていて、そのちょっと内側に北海道新幹線と思われる高架橋が一直線に続いている。遠くを見ると…渡島半島!北海道が見える。眼下の海は間違いなく陸奥湾。青森を通り過ぎとる。
もしかして…「間違えて函館に着いちゃいました。てへっ」とか言いださないだろうな?と少し心配した。しかしやがて飛行機は右に270度回頭、青森に引き返した。おかげで北海道はもとより下北半島浅虫の半島(名前忘れた)から八甲田山まで青森中をぐるり見物できた。敢えて言うまでもないだろうが、ぐるり一回りした理由は風。東西にのびる青森空港の滑走路に東側から着陸するための遠回りである。
青森は極寒で雪がたんまり積もってる、かと思ったら全然そんなことはなく、陽が暖かくて思ったより過ごしやすい。雪もないし。一昨日くらいにテレビで見た青森市内の映像は吹雪で真っ白でまともに歩けそうもなさそうだったので覚悟して来たのだが、拍子抜けである。
仕事は順調に終わり、あとは帰るだけ。他のメンバーは羽田行きの最終便で帰るとのことで、それまで行きつけの飲み屋で飲んでいくことになった。たまたま同日に別の金融機関に出張していたメンバーと合流して飲み屋にGO。ここは以前にも連れていってもらった店だが、「あけぼの」に乗車するため途中で退席した。そして今回も…
1時間足らずで退席して青森駅に急行する。前回は本当に時間ぎりぎりになってしまいろくすっぽ買い物もできなかったし写真なんかまったく無理だったが、今日は時間に余裕を見たので写真撮影も存分に行った。駅は当然ながら鉄どもが多数徘徊しており、乗客らしき鉄もそうでない鉄も写真撮影に余念がない。ホームのコンビニは相変わらず飯が残りわずか。列車が遅れて缶詰にされた場合を想定しておにぎりを買っておいた。
本音を言うと、少しでも長く寝台にいたいので、遅れてくれてもいいのだが(^_^;) 吹雪で運休とか、途中で打ち切りとかは困る。特に打ち切りは、翌日の出勤に重大な支障が出るのでやめてほしい。せめて長岡までは走り切って、新幹線振替でお願いしたいところ。しかし天気が良いので今日は列車は遅れそうにない。
「あけぼの」は青森を定刻に発車。今回も私はB寝台個室をゲットした。キップを買った当日、既にあけぼの廃止は確実と噂になっており、どうせ寝台券は取れまいと思っていたらあっさり取れたので嬉しかった。相変わらず狭い個室。まるで独房である。しかし、この独房ももう二度と乗れないかもしれない。楽しいけど、それを思うとせつない。
青森でビールを買ったがおつまみを買うのを忘れたので、ビールだけあおる。室内の電気を消して真っ暗な中で景色を堪能。今日は満月が出ていて外は明るい。積雪が光を反射してますます明るいので景色が存分に見れて非常に楽しい。素晴らしい。
前回は羽後本荘まで外を見てから就寝したが、今日は景色が良く見えるので鶴岡まで粘った。しかし、寝るのも寝台車を楽しむ一つなので、そこで就寝。…よく眠れず。いまだに、寝台車で寝るとワクワクが抜けないのか、相変わらず眠れない。しかしそれもまた良し。もう二度と乗れないかもしれないし。
と、そればかり考えていたが、あけぼの廃止後もまだ「北斗星」があるではないか。私が仕事で札幌に行く可能性は限りなく低いが、なにも始発から乗らなくても良いではないか、ということに気が付いた。じゃあ、「寝台車には二度と乗れない」と悲観するのはまだ早いな…ニヤリ。