群馬の山奥に行ってまいりました

残念ながら今日は朝から天気がイマイチ。私は18きっぷを持って朝から旅に出た。…と言うのは大げさだが、とりあえず上野駅に向かう。ところが、常磐線が朝から人身事故で遅れているという。北千住で乗ろうと思っていたが予定変更、秋葉原までTXで行く。
上野で快速アーバンに乗車。車内は空いていて、10両のうち数少ないボックス席も余裕でゲット(15両編成だが5両は途中の籠原で落ちるので)。しかし、いざ走り出すとどうにも眠い。仕事のし過ぎかな(^_^;) もっと心身を準備万端整えて鉄に挑まないとダメだな。
そのまま終点の高崎まで乗り通し、高崎では次の列車の発車ホームに急いで向かう。人が多いし、何人も並んでる。発車30分前に着いたのだが、それでも遅かったか?…と思ったら、その列は前の列車(伊勢崎ゆき)に並んだ列だった。私が乗りたいのはその次に発車する大前ゆきだ。まだホームに何人か待っているので、用心してそのまま列の先頭に並んでおく。
高崎で余裕があれば飯を食おうと思っていたが、これでは無理だ。ま、こんな時のために嫁におにぎりを作ってもらっていたので、それを食せばよい。だから安心だ。
隣のホームから先発の水上ゆきが発車して行ったが、なんとこの電車は107系4両編成。先に発車した伊勢崎ゆきや横川ゆきは115系だったので安心していたが…もしかしてこれから乗る大前ゆきも107系だったらどうしよう?いちおう解説すると、115系は一部ボックスシート107系はオールロングシートなので、乗りたいのは圧倒的に115系。こんなところまで来てロングシートは勘弁や。
予期してなかった不安材料が出てきて心配になったが、入線してきた電車は115系だったので一安心。ボックスシートの進行方向窓側という「定位置」を獲得して何の憂いも無し。列車に乗るときは、その路線の景色が良く見えるのは進行方向の右・左どっちか、というのが気になるが、今はスマホの地図でどっちが良く見えそうか確認できるから便利だ。ここでは迷うことなく左側を選択。
列車は渋川からいよいよ吾妻線に入る。吾妻線に乗ったのはいつ以来か…よく覚えてないが25年くらい経ってるだろう、多分。沿線の記憶もだいぶ失われているから、まるで新線に乗るような感覚(^_^;)
列車は淡々と山奥に分け入る感じで川沿いを登って行くが、ある場所を境に急速に景色を変容させる。それは線路の左側から急カーブで川を渡って対岸にのびる全く新しい線路、である。これが八ツ場ダム建設に伴う吾妻線の付替線である。ダムにより水没する区間を迂回する新線が建設されているのだが、見たところ線路自体はほぼ完成している。架線柱はまだ立っていないので、どっかの地方の建設途中で放り出されたローカル線みたいな様子になっている。
私はこれを見て、九州の油須原線を思い出した。日田彦山線豊前川崎駅付近で建設中だった油須原線の立派な線路を何度も見てきたが、既に線路はほぼ完成しててあとは既存線と接続するだけだった。しかし、油須原線は完成しなかった。今は作りかけの線路は撤去済みとのことだ。それを思い出して若干切なくなったけれども、こちらの線路は多分使われるのだろう。…ダム建設が中止になってこれらの投資が無駄にならなければ、だが。
そこから先はまさに異様。周辺に人の気配が無くなり建物もまばらになる。水没予定地の川原湯温泉駅には、駅のほかには駐在所しか見当たらない。川原湯温泉の入口はあったので、もしかしたらその先に旅館があるかもしれないが。ここでまた過去の事例を思い出した。広島県福塩線に乗った時に八田原という駅がまさに同じ状況で、駅の周囲には全く何もなくなっていた。今は八田原ダムというのが出来て、線路は付け変わってて八田原駅は水没している。それを思い出してまたまた切なくなってしまった。
駅のはるか上空にはダム湖をまたぐ予定の道路橋がかかっている。あんな高さまで水が張るのかと思うとスゲーとしか言いようがない。
列車はさらに山を登り、長野原草津口駅の直前で対岸から付替線が近寄ってきて合流寸前で途切れた。もう架線柱さえ立てればいつでも線路を切り替えられる状態だ。長野原駅はきれいに整備されているが、おかしなことに二つのホームのうち片方は行き止まりで、列車交換ができない構造になっている。別に悪くは無いが列車交換できなくて不便ではないのかな。
雨が降り出した中をさらに進んで羽根尾という駅にきた。ここで列車交換ができるが、側線に色違いの185系特急車が2編成留置されている。長野原やこの先の万座・鹿沢口(ここもホーム1本のみ)ゆきの特急列車の車両がこの羽根尾駅に退避しているようだ。
そして終点の大前に到着。普通の客はほとんどが万座・鹿沢口で降りてしまい、乗客は女子高生1人のほかはすべてテツ。雨も降ってるし、大前には何もないし、テツどもはホームをウロウロすることすらできずトイレにいくばかり。それは私にも言えることだが。