硬券は自分で買いに行くもの

京都市内のホテルで起床。昨晩京都に到着した時は雨が上がった直後だったが、今朝は快晴。気温も適当で非常に良い気候。…さて、仕事するか。
市中心部にある客先にて仕事を終わらせると、上司や営業の面々は各々の目的にしたがって散ってしまい、あっという間に一人になった。みんなで打ち揃って昼飯でも食いに行くのかと思ったが、まったく違った。
じゃあ…天気もいいし、ちょっと郊外でも行くか(^_^;) なんてね、実は目的地は予め決めてあったのだ。客先を出て近くの交差点に行き、バス停チェック。京都市街は言うまでもないが碁盤目状になっているのでバスはタテ(坊=南北)かヨコ(条=東西)に走っている。東の方に行きたいので、狙うはヨコ!
さて、ここから出町柳駅に行くにはどれに乗ったらいい?ふむふむ、出町柳駅経由百万遍方面行き、3系統だな!…と思った直後に接近してきたバスがまさに3系統。慌てて乗車。バス停の地図を見た限りではすぐに着くのかと思ったらその地図はバス停を省略していたみたいで、なかなか目的地に着かない。京都は広いのう。
で、出町柳駅に着いたわけだが。実は2ちゃんで、叡山電車硬券入場券を売っているという情報を得ていたのだ。叡電硬券?まったくイメージできないのだが。半信半疑だが、ここ20年くらい叡電にも乗ってないしいいか。叡電は頻繁運転なので乗りやすいし。
出町柳駅で一日乗車券を買おうとしたら、前に並んだおばはん4人組が時間を使っているので焦る。もうすぐ電車が出てしまう。はよせい!急いで乗車券を買って慌てて乗り込んで、電車出発後に「硬券ありますか?」と尋ねるのを忘れていたことに気が付いた。なんということ!ちなみに一日乗車券はスルッとKANSAIのシステムを使った磁気券。磁気カードを使うのはずいぶん久しぶりだ。
とりあえず、まずは硬券があるという修学院で下車。窓口で尋ねようと思ったけれど、肝心の窓口がないような。…おや?「硬券あります」って張り紙がはってある。定期券売り場にそれはあると。ビル2階の定期券売り場にて、本当に叡電硬券入場券をゲット。
デザインは何の変哲もない、ごく普通の入場券。だが、それがいい。今どきの硬券は限定発売の記念券ばかりだが、そういうのはテンバイヤーもいて入手困難だし、まあ時間をとって根気強く並べば手に入るんだろうけど社会人だと限界があるし。そこで本来、私が集めたかったものは何か思い出してみた。自分で駅まで行って直に買う硬券。それが欲しいのだ。別に硬券をコンプリートしたいわけじゃない。だから、欲しいものだけ買えばいいのだ。
修学院から一気に終点の鞍馬まで乗車。叡電は住宅街からいきなり山間部に分け入って、終点の鞍馬はかなりの山奥、という印象があったが、今回もその印象は全く変わることがなかった。平日なので電車は空いていたが、乗客は100%観光客。外国人も多い。そんな中、ネクタイは外したとはいえ上下スーツのオッサンがカバン2個持ってたたずむ姿は我ながら奇異。だが、そんなことに構っていられない。脇目も振らずに窓口に行って「入場券ください!」
なお、叡電硬券は日付をゴム印で押す。さすがにダッチングマシーンは用意できないか。日付を押した後、駅員が「インクが乾くまで気を付けて」と言ってくれる。もちろん気を付けますとも!硬券を扱い慣れた感じはあんまりせず、若干手元が怪しげ。あんまり券面を指で触らないでー、と内心では思うが口に出して言うことは無い。
叡電には支線があるので、時間もあるしついでに乗っておく。終点の八瀬比叡山口は前回来たときには八瀬遊園という駅名だったのだが、駅名の由来になった遊園地が閉園したため改称したもの。駅舎のデザインにかつての面影がほんのり残っていた。現駅名の通り、比叡山に通じるケーブルカーが出ているが、それに乗る時間的余裕はない。
折り返して出町柳に戻ってきて、ようやくここの入場券をゲット、任務完了。出町柳駅の近くには有名な下賀茂神社があるが、バス停2つ分の距離があるようなのでパスして4系統の市バスで京都駅に直行。乗車予定ののぞみ号の発車時刻までかなり余裕があるので遅い昼食を食べることにした。JR京都駅の駅ビルはそれはそれは立派なものが建っているが、一日京都市内を巡って最後にここに到着してビルを見て一番に思ったのは「やはり京都にコレは無いだろう」と。
京都市内の建物の高さは厳しく規制されていて街並みはかなり低い。ちょっと100万都市らしくないともいえるが、しかしこれが京都だ。なのに京都駅ビルは11階建てで、しかも横に非常に長いので巨大な壁のようになっている。その上、色が紫だし。立派だけどちょっと京都には合わない。
駅ビルは外からだけでなく中から見ても変わっている。すなわち、11階までひたすら斜めに繋がっているエスカレーターである。普通のエスカレーターは折り返して上に登っていくが、ここのエスカレーターはひたすら斜めである。エスカレーターだけでなく階段も同じように斜めだ。しかもかなり幅が広い。転んだら下まで転げ落ちそうでちょっとコワイ。
そんなエスカレーターを興味本位で11階まで上がって、そこの飲食店街でおばんざい食べ放題ランチをやっている店を見つけたのでたらふく食ってやった。ようやく京都らしい食事がとれた。
帰りの新幹線はビールは止めておいたが、東京駅から直行で帰宅した。平日午後なのでやはり混んでるだろうと思っていたが、意外に空いていたので楽々だった。東海道新幹線も空いてることがあるのだな。