ラスト馬鹿その1

0時きっかりに電話がかかってくるが、目覚ましと勘違いして切ってしまった!しししまった、すんません!と彼女に平謝りm(__)m 起こしてもらって、仕度して1時50分に車にて出発。目的は、例によって鉄道趣味。今月末に廃止になる線路にお別れ乗車しに行くためだ。行き先は…宮城県だ!!くりはら田園鉄道の石越−細倉マインパーク前間は大学生の時に一度乗ったきりだったので、廃止前にもう一度乗っておきたいと。
先週末の16日に急遽仕事が入ったのが痛かった。しかも午前中だけの予定が、延長戦に入ってしまったのが余計に痛かった。計画では土曜日のうちにくり鉄の沿線のどこかの宿に宿泊して、早朝に出動、鉄道マニアでいっぱいになる前に用事を済ませて速やかに退却、というつもりだった。これは以前のと鉄道穴水−蛸島間が廃止になった時に、前日に珠洲に宿泊して翌朝鉄道マニアの少ない早朝の列車で快適だったので、その例を踏襲しようとしたのだが…今月末までに、それができる日はもう無い。一日で全てを終わらせようと思ったら、このような未明の出発にならざるを得ない。とにかく肝は夜行列車、夜行バス、始発列車が到着する前、現地にいないと乗車できない早朝列車に乗ることだ。
そのためには6時くらいに現地に着く必要がある。関東から現地までは約400kmくらいあるので、2時くらいに出発すればなんとかなるかと。いやしかし、久しぶりの長距離運転は辛かった。仮眠してたとは言え、一気に走りきるのは眠くて疲れる。特に、宇都宮を通り過ぎてから福島県に入るまでの、栃木県北がこんなに距離長いなんて!と、土地鑑の無い九州出身者は思うのだ。
それでもなんとか400kmを走破して、6時過ぎに若柳金成IC(わかやなぎ・かんなりIC)を降りた。たしかくり鉄の若柳駅が近くて、しかもそこには車庫がある!じゃあそこに行けば撮影もできるし、何かと便利かと思い、若柳駅に行った。ちょうど6時半発細倉マインパーク前ゆきの来る時刻だったが、駅が全く開いていない。どういうことだ!?と思ったら駅員が出勤してきて言う。「その列車は平日のみ運転だよ」
…がびーんorz せっかく夜通し車を走らせてきたのに、乗りたい列車が運休してたなんて。仕方なく、7時10分発石越ゆきに乗ることにして、それまで駅構内で写真撮影しまくる。乗客は私一人だけ、しかし僅か二駅で終点。たった5分間だけの貸切列車の旅。
石越には、いるわいるわテツの群れ。予想通りだけど、しかしやはり早朝だからか数は思ったよりは多くない。ワンマン列車の運転士にはそのまま折り返すと言ってあるので、座席は思うとおりの場所を確保。結局車で来た利点はこれしか得られなかったが、まあいいか。客はほとんどが鉄道マニアで、座席が埋まる程度の数しかいなかった。が、運転台かぶりつきテツが何人かいるので必ず立ちっぱなしの奴はいる(勝手にどうぞ)。
最近このようなローカル線に乗ってて見かけるが、今日もわけわかんない途中駅で突然降りるテツがいた。これはやはり、日本全国全駅下車を達成した横見浩彦氏と漫画「鉄子の旅」の影響なんだろうか。まあ、好きにすればいいが。沿線の景色は、特にどうということのない平地を淡々と走り、終点近くで山が迫ってきたがすぐに終わった。こんなんだったっけ…?以前乗ったときは電車が走っていて、ロングシートで外が良く見えなかったというのはあったな。
乗ってきた大半はそのまま折り返し。よく見ると子連れの一家とか、地元民のお別れ乗車組も増えてきたようだ。廃止直前になると激増するのは実はマニアよりも沿線住民のお別れ乗車である。そういうのが来る前に用事を済ませておくようにしたいと私は思っているが、人によってはお祭り騒ぎがしたい人もいるだろう。

ラスト馬鹿その2

若柳駅で降りて、一件落着。続いて、18日に開業したばかりの仙台空港アクセス鉄道に乗車するため、JR東北本線名取駅に向かう。意外と昼間の運転の方が眠くない。仙台南ICから仙台南部道路に入って長町ICで出ると、すぐ近くにこれまた18日から営業を開始したばかりの太子堂駅があった。ここに車を置いてもいいかも、と思ったがとりあえず名取まで行った。
幸運にも10分待っただけで仙台空港ゆきの新線を走る電車は来たが…たった2両編成の車内は既に超満員ではないか!!なんじゃーこりゃー!???こんなところで、まるで平日朝の京葉線みたいな超激混雑に見舞われるとは思いもしなかったぞ。その理由はすぐにわかった。次の駅は「杜せきのした」という駅だが、この駅のまん前にダイヤモンドシティ・エアリという超巨大ショッピングモールができていたのだ。今時巨大ショッピングモールなんてどこにでもあるが、こいつはちとでかさが半端ではなかった。集客力もかなりのものがあるのだろう、たった2両の電車では明らかに輸送力不足である。
しかしできたばかりの鉄道としては、この程度の輸送量の読み違いはやむを得ないところか。さっそく、本来は通過する快速電車を杜せきのした駅に臨時停車させて不足を補っているようだ。でも仙台空港に行く客は、2両でも足りてるみたい…。終点の仙台空港駅は、全く仙台空港に直結する形で建設。これは便利でよい。もちろん私は、改札口で折り返し。そうそう、この線路はSuicaが利用できるので切符の購入はしなかった。線路は空港の滑走路だけは下を通しているが(上を通ったら飛行機の邪魔)、それ以外はほぼ全区間高架であった。見晴らしは良かった。
この時、なぜかまんぞー氏から電話がかかってきて、今沢辺にいるという。それは私がさっき乗ったくり鉄の駅である…。まんぞー氏も今日宮城県に来て、先に仙台空港アクセス鉄道に乗り、その後くり鉄に移動したらしい。やっぱり、誰か来るんじゃないかと思ったんだ…。言ってくれれば、車に乗せてあげたのに(^_^;)
二件目のタスクコンプリートは12時くらい、目的は全て達成したし明日は仕事なので即座に帰途についたが、名取から東北自動車道は遠く離れていて、仙台に戻るかそのまま国道を行って白石で上がるかしないとダメのようだ。戻るのは嫌なので白石まで一般道をテレテレ走っていった。帰途についたのが早かったせいか渋滞は首都高でちょっとはまった程度で済み、16時過ぎに帰着。
かなり無理はしたがお別れ乗車もできたし新線にも乗ったし、良しとせねばならないが…夜、走りながら考えたことは「もうこんな馬鹿なことは当分すべきでないだろうな」と。スケジュールの過酷さ然り、金を湯水のように使っている点も然り。彼女は「行ってもいい」とは言ってくれたが、車の長時間ドライブは当然ながら心配の種にもなるし、自分の趣味のために無制限にクレジットカードを切ってよい立場でもなくなったからだ。かといって彼女をこのような過酷な旅に連れて行くわけにはいかないので、今後もマニア丸出し旅行を実行する、としても今までのような無謀100%の馬鹿旅行というのは自粛せざるを得ないだろう。昔、中学・高校生の時にやっていたように綿密に計画を立て予算を計上してその通りに執行するスタイルに19年ぶりに戻す必要があるだろう。