ゴルフ場巡りの目的

今日はかねて入手していた情報を元に、硬券を買いに出撃。朝から雨が降るいやな天気だったが、車で行くから問題は小さい、と。鉄道趣味で活動しているわけだが、目的地は駅ではない。とにかく首都高から東北道に入り、今回初めて「北関東道」なる高速道路に入った。まだほんの一部しか開通していないのでこれまで用が無かったが、今日は北関東道の壬生ICまで初乗りした。
厳密には壬生町ではないが、この辺りに来たのは宇都宮競馬場に来て以来である。さて私が最初に到着したのは、この町内にある宮の森カントリー倶楽部。ゴルフ場である。時間外れの真昼間にゴルフバッグも持たずにぶらりとやってくる、かなり変な客である。このゴルフ場は東武鉄道のグループ会社であり、委託されてクラブハウスで東武鉄道の切符を販売しているという。しかもそれが硬券で売られていると言うので、確認しに来てみたわけだ。
確かに、東武鉄道特急券硬券で発売していた。しかも大昔の田舎駅のように、座席の指定を受けるのに端末のある駅に電話して照会の上、手書きで券面に記入していく。よくもまあこんな古いスタイルの座席指定券が、21世紀の世の中に存在しているものだなと半ば驚き、半ば呆れた。
そして、大変申し訳なく思えてきた。今の世の中、インターネットでチャッチャッと座席の指定が出来てしまう。なのに、ここではカウンターのお姉さんにコレコレこういう切符が欲しいので売ってくれ、と言う。お姉さんは電話して座席を確定させ、小さな切符に手書きで日付、列車名、出発時刻と席番を記入する。その間、実に25分から30分ほど。
お姉さんは駅員じゃないからこの手の作業ものんびりじっくり行うため、大変待たされる。しかし、腹が立つより先に、私の趣味のために30分も時間を使わせることが恐縮だったのだ。昔はそんなこと全く考えなかったが、今は大人になったせいだろうか。楽して簡単に手に入るものにわざわざこんな手間かけさせるのが忍びなくなったのだ。
そう言いつつ、近くにある別のゴルフ場に行き、そこでも特急券を頼んでしまう。最初のゴルフ場のお姉さんはこの手の人種にある程度慣れているようで大変要領がよかったが、次のゴルフ場のお姉さんはまるでわけがわかっていなかった(^_^;)。多分、切符を発売すること自体が滅多に無いことなのだろう。ここでは前回以上に待たされたが、もちろん文句なんか言うわけ無い。手際が悪いのを責めるよりも、頼んでしまったこと自体を後悔するほどであった。
やはり同じ硬券集めでも駅に行くのとはまるでワケが違う。二つ回ったところでもう疲れてしまった。しかし栃木県にはいる前から雨が上がって雲は去り、寒くて風は強いけど素晴らしくいいお天気に回復した。ので、ドライブがてらもう一つ回ることにした。先の二つのゴルフ場で売っている特急券はどちらも特急「きぬ」号の券だったが、群馬県東武系列のゴルフ場に行けば「りょうもう」号の券が手に入るはずだ。
栃木から群馬への移動は思いのほか時間がかかった。北関東道は建設中でまた全然出来上がっていなかったので一般道を走ったのだが、三つ目のゴルフ場に着いたときはちょうど16時前くらい。これでまた更に恐縮する羽目になる。到着してみると、ちょうど「本来の」お客さんたちが帰る頃であり、カウンターのお姉さんたちはその清算に追われていたのである。
タダでさえ手間のかかる特急券を、こんな時間帯に売れとは言いにくい。しかも単なる私の趣味で、である。しばらく立ちすくんでいたが、ちょうど帰る客の波が途切れたところで目が合ってしまったので、特急券の発券を頼んだ。予期したとおり、ここでは「りょうもう」号の硬券特急券を発売していた。嗚呼、しまったな…途中で昼飯を食って余分な時間を浪費したのがいけなかったか。飯なんか食ってる暇があったらさっさと切符を買いにくるべきであったか。
こうして首尾よく三つのゴルフ場を回ったが、東武系列のゴルフ場は全国に10もあり、そのうち今日回った分を含めて群馬・栃木の6つのゴルフ場には硬券があると思われる。残り三つも回るか否か…今の気分では、もうお腹いっぱいですorz 正直言って、いかに鉄道マニアとは言えども切符のためにゴルフ場をぐるぐる回るのは徒労感が高い。車で回る距離は実のところ大したことないし切符を売ってもらうのに30分かかるのも、そんなもんだと思う。なんと言ってもクラブハウスで発券を待っている時の場違い感、このプレッシャーは予想以上にきつかった。

因縁の硬券

目的コンプリート後に、更にあと一押し。上毛電鉄西桐生駅に行くと、ここでなぜか昔は売っていなかった赤城駅硬券入場券が手に入ると言うのだ。昔を思い出すよ…わざわざ赤城駅まで出向いて硬券くれ、といった時の駅員の無愛想な「無い!」の一言を。あのむかつく駅員がどうなったかしらないが、無碍に断られた駅の硬券入場券がなぜか別の駅にある不思議。あの時の無念を十数年ぶりに晴らすと同時に、西桐生駅の駅舎が登録有形文化財に指定された記念硬券入場券とやらも入手。D型で左側三分の二は写真が入ってると言う昔JRがよく売っていた形の切符で、なんと7種類も作ってる。全部買えってか…?一つで十分です。
そして帰ろうとしたが、どうやら関越道が25kmも渋滞しているという情報を得て、仕方なく国道17号をとぼとぼと南下。ところどころ混んではいたが大宮まで渋滞は無く、判断は間違っていなかっただろうと思いたい。途中で国道125号に入って羽生か久喜あたりで東北道に上がる手もあったのだが…
すっかり暗くなったところで家路を急ぐが、突然タイヤがパンクするアクシデントが!!…しまった、クルマを買ってから6年以上、一回も替えたことの無かったタイヤがついに破裂したか(^_^;)。だって6年乗ったとは言えまだ2万2000km程度しか乗ってないんだもん…って、ゴム製品の劣化を考えればとっくに交換時期は来ていたわけで。とりあえずスペアタイヤに交換してその場をしのいで、カー用品店でタイヤ4本総とっかえ。予定外の出費というべきか、今まで出費すべきものに出費してなかったのだから当然の出費と言うべきか。ともあれ無事に帰宅できてよかった、よかった。