地震ドキュメント その1

ああ、鬱だ鬱だ、とっても鬱な月曜日。おまけに朝から雨が降っていて、それが鬱な感情を増幅させる。こんなときに予定より一時間も早く目が覚めてしまった。まったく鬱なことばかり。
…7時をだいぶ過ぎた時のことだ。突然それはきた。おお…揺れた…おおお揺れる揺れる揺れる!…でもこれは震度4、いや震度3程度かな。さっそく、見ていたテレビのニュース番組に「7時22分頃関東に地震が発生しました」とテロップが出る。まあ、この程度なら時々起こるし、いちいち慌てていられない。
そのテロップがすぐに「関東に強い地震が発生しました」に変更されたので、おや?どの辺かな?と思ったら、なんと千葉県というではないか。千葉は千葉でも田舎のほう、銚子に近い海のほうが震源であったが、それでも震度5強というから結構派手なのが来たのだな。浦安界隈では前述の通り。この程度では騒げないという感じ。
だから、私はこの後に起こることに対する認識が甘かったのだ。せいぜい電車がちょびっと遅れる程度だと思っていた。震源近くの鉄道は、そりゃストップするのはやむを得ない。線路に異状が無いか確認しないと発車できないからだ。でも多分、総武本線京葉線には大した影響は及ぶまいと思っていた。そう思いつつ家を出ると、近くのバス停には物凄い待ち行列ができてる。…ああそうか、今日あたりから新年度・新学期の新しい通勤通学客が通い始めるから、バスや電車が混むんだ。うぜーけど、これも春の風物詩かな。早く人が空かないかな…とのん気に構えていた。バスは満員だったが、もともと雨の月曜日は混む上に新年度・新学期と重なるなら致し方なし。

地震ドキュメント その2

更に異常を感じたのは新浦安駅に着いてからである。バス停でバスを待ってる客の数が異様に多い。はて?いくら今日から新年度の…といってもこれは多すぎでは。さっき高架橋の上をいつもは見ない特急電車がノロノロと走っていくのを見たのでダイヤ通りに運転されていないなというのは察したが…まさかな…
まさかが確信に変わったのは、改札口を通る時に見た電光掲示板に東京方面の案内が「次は8時19分発快速東京行き」と表示されていた時である。ああ、かなり遅れてる。もうすぐ9時半になろうというのに…8時19分発快速東京行きとは、私が日本橋に9時に通勤していた時に毎朝乗車していた、あの超激混みすし詰め快速電車のことである。それと、有人改札のところに清算のためのながーーーい行列ができていたのも象徴的であった。
ホームに上がってみると、やはり例の快速電車がそこに止まっていた。さすがにいつもの超激混みというほど混んでないが、それでも十分に混んでいた。武蔵野線はとっくに京葉線への乗り入れを中止したらしくオレンジ色の電車は姿を見ない。快速はずっとホームに止まりっぱなしで、案内では「隣の舞浜駅に止まった電車が発車したら(快速も)発車します」と放送している。
これは、このような無ダイヤ状態のときは駅間に電車が止まらないよう、一駅一電車を徹底しているのである。駅間に電車が止まったまま何時間も放置すると、馬鹿な客が勝手にドアを手動で開けて車外に出てしまうのを防止するためである。いったん線路に客が降りると鉄道会社としては客を全員収容して線路の安全が確保できるまで電車を発車させることができなくなり、ただでさえ遅れているのが際限なく遅れてしまう、という事態を防ぐためである。そのため運転できる列車本数はかなり減ってしまい、混雑に拍車をかけるという悪循環ではあるが、線路に客が降りるリスクと比較してこのようなルールにしたのだろう。まったく、馬鹿がいるおかげでえらい迷惑だ。
…それにしても快速は一向に発車する気配が無い。やがて向かいのホームに次の電車(8時26分発普通東京行き、と案内されている電車)が入線してきた。あっちは結構空いている。こっちが先発なのであっちから大量に乗り移られたら困るな、と思っていたがそんな気配は無く、ホーム上の客の多くも空いてるほうの電車に吸い込まれていく。みんな結構理性的に行動していてグッド(^_^)。なんて感心していたら…
「ただいま入りました情報によりますと、潮見駅車両故障が発生したとのことです」という放送が。これは決定的だ。今朝の地震と、この車両故障とはおそらく関係が無い。しかし場所とタイミングとしてはまさに最悪中の最悪。潮見で壊れた電車をどっかに退避させないとそれらは運転できないが、退避ポイントは東京駅か、葛西臨海公園しかない。おそらく後続の電車を連結して東京駅まで押していくしかないだろうが、これではもう通常の営業はできない。今新浦安に停車中の電車が動き出す可能性は限りなくゼロ。そう判断して、速攻で駅を出た。
新浦安駅では地下鉄東西線振替輸送をしていると放送していて、希望する乗客には浦安までのバスと浦安からの地下鉄、に使う2枚分の振替乗車票を配っていた。しかしそれを例の有人改札でしか配っていないので、さっきからの長蛇の列がますますながーーーくなっていて、こんなのに並んでいたらいつ乗車票をもらえるかわからぬ。自称鉄道マニアにしてキップ収集家でもある私としては振替乗車票をもらえる絶好のチャンスではあるが、今回は泣く泣く回避。自腹切って再びバスにのり地下鉄浦安駅に向かった。
浦安のバス乗り場でも新浦安方面ゆきのバスに乗る客の長い列を見たので「まさか地下鉄も悲惨なことになっているのでは…(だから多くの客が新浦安に回避しようとしているのでは?)」と心配したが、地下鉄東西線は無問題で動いていた。しかも、空いてる。嗚呼、最初からこっちに乗っておけばよかった。思い返せば、地震発生のニュースを見た時点でこのことは予見できたはずである。おろかだった。

地震ドキュメント その3

大幅に遅刻して10時40分過ぎにやっと出社できた。もう心身ともにボロボロだ。ただでさえ鬱で会社に行きたくない月曜日なのに(しかも雨だし)。よっぽど「今日は休みます」って上司にメールしようかと思ったよ(^_^;)。ところが、出社してみると他の京葉線ユーザは一人しか来ていない。まさか…私は早い方なのか?笑える話だが、それが事実だった。うちの新部長は蘇我から京葉線で通ってくるが、今日は10時ごろに「舞浜で電車が運休したのでタクシーで行く」と連絡してきたという。おそらく、受験生が乗り間違って話題になる例の通勤快速(蘇我の次の停車駅が八丁堀)に乗車していたのだろう。それが舞浜で長時間停車(通過扱いなのでドアは開かない)の挙句に、車両故障の煽りで運休になったと。それはヒドイ。
部長は11時を大きく過ぎたころご出勤。舞浜でタクシーに乗るのに30分以上費やしたそうだ。多分、すぐさま浦安までバスで移動して地下鉄に乗ったほうが早かったはず。現に私と同じような状況でありながら私のほうがかなり先に出勤したし。でも、私も新浦安駅で思った。「タクシーに乗っていったらいかんかな?」と。それともう一つ思ったのは「いっそのこと自家用車で出勤したらいかんかな?」(^_^;)。クルマ置くところ無いって。

地震による影響

千葉、茨城で震度5強 車内に缶詰め、線路歩く」…震度5強という大きめの地震が襲ったにしては、随分と被害は小さい。これも防災対策のおかげといいたいところだが…。震源に近いところの鉄道では電車がストップしたまま動くことができずに随分メーワクしたようだが、その中の1本は特にヒドイ。JR鹿島線の佐原発鹿島神宮行き普通電車が利根川の橋付近の高架上でストップ。単線高架橋の上なんで歩くこともかなわず、動くまで3時間待ったらしい。私は最初このニュースを聞いたときに「利根川の橋の上でストップか?それはこええー」と勘違いしたが、そうではなかった。
鹿島線利根川橋梁は関東一の大河の河口近くにかかる故にリンク先の写真のとおりすごく長くて高く、とても“スタンドバイミー”できる代物じゃない。そこで止まらなくて良かったですなあ。