客車の新製キター!?

「SLやまぐち号」旧型復刻版の客車投入 ── 停車駅もレトロ調に改修へ」…キ、キ、キ、キターーー!!!現在の観光SL列車の元祖「SLやまぐち号」がついに大幅リニューアル!客車を12系の旧型客車もどきに改造したものから新製車に置き換えとか、素晴らしいっす。やまぐち号の客車の老朽化がヤバいと聞いていて先行き不安だったが、これで一安心か。
全国的にSL列車が復活傾向にある中、前にも書いたが牽引する客車が不足する問題が深刻化。客車はここ十数年でほとんど絶滅に近い状態まで減少。JR東日本ウルトラCを発動して元客車のキハ143形等をJR北海道から購入するほど困窮しており、しかも今残っている客車のほとんどが老朽化でヤバい状態。
観光列車のためだけに数両だけ客車を新製するのは全く合理的ではなく、基本的には今残る車両でやりくりするしかなかった。北斗星用だったJR東日本の24系寝台車の一部が郡山工場に送られた際にも「SL列車用客車の種車にするのでは」と噂が立ち、私は期待しているが単なる廃車解体の可能性も高い。それだけに、JR西日本が新車を作ると聞いて驚くと同時に「ほんまかいな?」と信じがたい気も。しかし、噂のみのJR東と違ってこっちは正式なプレスリリース、間違いなかろう。
…ん?よく考えたらJR西日本でもトワイライトEXP用の24系寝台車が余るのか。もしかしたらこいつの再利用なのかもしれぬ。まあその場合でも再利用するのは車籍だけ(^_^;)で、改造名義の新製ということになろうか。
しかしながら、旧型客車の復刻版を作るといっても新車で作るとなると現代の安全基準に準拠しなければならず、数多くの相違点が生じるのは不可避。大きいものはバリアフリー対応で、これはオハ31(なんと17m車!)に設けられるとのこと。車椅子用の幅広な扉を設けなければならないだろうから、外観が大きく異なることになるんじゃないか。
もうひとつ大きいのは自動扉。走行中に扉に鍵がかからないとダメという基準があるはずで、旧型客車は元々完全手動扉で走行中も扉開け放題だったのでオリジナルのままじゃ厳しい。寝台車の多くで採用される折戸にするか、電車で一般的な引戸にするか、オリジナルの開き戸のまま施錠だけ自動化するか、どうするか見もの。
窓も開閉可能にするそうだが、昔のように全開にして風浴びまくりというのは難しいかもしれない。下部が10cm開くくらいになるのかなあ。最後尾車マイテ49の展望デッキも柵が高くなるんだろうなあ。現存して最近まで走っていたマイテ49のオリジナルが既にそういう改造をされているし。台車も同じものを再作製するんだろうか。オハ31のTR11やオハ35のTR23だったらどっかから持ってこれるかもしれないが、マイテ49の3軸ボギー台車は唯一無二なので作るしかないよなあ。廃車になるトワイライトEXP用24系の台車を流用したら「復刻」とは呼べないので、やっぱ作るんだろうなあ。
といろいろ疑問も尽きないが、それだけ鉄の興味をひくニュースであるのは間違いない。「やまぐち号」単体の話ではなく日本の観光列車全体にかかわる問題なだけに今後も要注目である。