九州新幹線試乗会

今日は月曜日だが、休みを取って福岡にいる。今回の帰省の最大のイベント、九州新幹線試乗会に参加するためである。
博多駅には昼前に着いた。手続きをして出発までのひとときをワクテカしながら待っていると、弟子(嫁の職場の同僚だった人物で、鉄道の師と仰がれている)がやってきた。今回の試乗会は、実にこの弟子の尽力に負うところが大きい。まったく感謝感謝である。我々夫婦は8号車、弟子は3号車の客となった。
8号車は両側とも2席ずつのグレイトな座席の車両だった。営業開始後は指定席車として使われるのであろう。座席の間隔も広く、快適。冷たい雨が降る寒い天気の中、ずっと待った甲斐があった。
試乗会なので特に発車ベルなどもなく、定刻に静かに発車。しばらくのろのろと走った後、博多南駅付近から加速して新幹線らしくなる。長大トンネルである筑紫トンネルを抜けるとすぐに新鳥栖に停車。といっても客扱いは無く、ドアは開かないで発車。
ここからは筑後平野を行くので景色が堪能できる、かと思いきや、線路の両側に防音壁。なかなか景色が見えない。久留米は通過してなぜか筑後船小屋に停車。この駅がなぜあるのか未だに納得できないが、駅周辺は見事に何もない。これからいろいろ作るんだと思うが…
新大牟田新玉名の駅周辺もまだ何もない感じで、快適に通過。1時間もかからずして、あっという間に熊本到着。試乗会はここで折り返しとなるが、熊本においても客扱いは無く、扉は開かない。乗客はただ黙々といすを回転させるだけしかすることがない。嫁は熊本ラーメンが食べたかったと残念がっていた。
この時間を利用して、3号車の弟子のところへ探検がてら移動してみる。6号車のグリーン席は椅子がさらにグレイトだった。しかし3号車に入ると途端にエコノミーな印象が。1〜3号車は自由席車として使われるのだろう、2人席と3人席の新幹線らしい座席配置で、椅子も貧弱でかつ狭い。弟子も貧乏くじを引いてしまったものだ。
折り返しの博多行きは各駅に停車しながらの運転。雨はますます強まり、景色もあまりよく見えない。と、突然車内に「誰か医療関係者はいませんか!」と切羽詰った声が。見ると、幼児がひきつけを起こして気絶してしまったらしく、両親が子供の名前を呼び続けている。むむ、助けたいが何もしてやれんぞ。
幸いと言うべきか、試乗会なので各車両にJR関係者が乗車しており、対応は早かった。即座に車掌に連絡して久留米で患者を下ろし、あとは救急車で病院に急行したに違いない。これが営業列車だったらまず車掌に連絡が行くまで時間がかかり、スムーズに対応できなかったかもしれない。鉄道マニアを30有余年やっているが、急患に出会ったのはたぶん初めてのことだった。
久留米で長時間停車したのでダイヤが狂い、終着博多を目前にした博多南駅付近でふたたび長時間停車。私は見落としたのだが、博多南線の列車が追い越していったとのことで、営業列車を優先したのであろう。ハプニングはあったが、貴重な試乗会に参加できてよかった。
夜は嫁の元職場の人たちと飲み会。私だけ関係ないヒトだが、まあいいか。弟子はJALの最終便で帰京するとかで、忙しそうに帰っていった。
そういえば博多駅、の新駅ビルはこれがまた随分立派なものに建て替わっていた。ちょっとびっくり。